日本でも人気復活の麻雀は中国でも引き続き愛されている
局面をカメラで認識して、打牌候補を表示するスマートグラスも
中国の代名詞といえば、パンダに三国志、最近ではガチ中華にマーラータンも日本で人気だ。中国は変化が激しく、流行の移り変わりが早いが、伝統的な麻雀人気は変わらない。住宅地で住民が部屋を雀荘として場所貸ししていたり、麻雀が打てる茶店、あるいは自宅に親族や友人を連れ込んで、ジャラジャラと音を立てて遊んでいる様子は中高年を中心に昔と変わらない。
一方で近年、ハイテクを盛り込んださまざまなスマート麻雀プロダクトが開発されている。たとえば24時間利用可能で、ユーザーの利用データを収集し、日時や周辺イベントから利用状況を予測し、ピーク時とそれ以外で料金を変える無人スマート雀荘。
また、牌をIoT+ディスプレー付きにした首山科技のデジタル麻雀牌。さらには牌ではなく雀卓をまるごとディスプレーにした製品など、ぜひ体験してみたいさまざまな製品が登場している。その中でも、最近話題になったハイテク麻雀ソリューションを紹介していきたい。なお、中国では本来「麻雀」ではなく「麻将」なのであるが、本記事では便宜上麻雀とする。
今年の春節の時期、中国ではヒューマノイドのパフォーマンスがSNSで話題になっていたが、その一方で「スマートグラスのAI機能を使った初心者が麻雀で連勝した」という、RayNeo(雷鳥、TCL傘下)が開発したARスマートグラス「雷鳥 RayNeo X3 Pro」の実演動画も盛り上がっていた。
その動画では麻雀経験のほとんどないブロガーが同製品を着けて、グラス内蔵カメラで自分の手牌と卓上の捨て牌をリアルタイムで写し、画像認識と大規模モデルで局面を解析。グラス上に聴牌確率や危険牌、推奨打牌をオーバーレイ表示して、それを参考に打牌することで、ベテラン勢に勝つというもの。要はテーブルゲームを遊ぶ際に、ドラゴンボールのスカウター的なディスプレーが勝利のためのヒントを表示してくれるわけだ。
これはある意味、夢のチートガジェットかもしれない。スマートグラスはこれまでは、音声出力の“聞くAIデバイス”が主流だったが、RayNeo X3 Proは「見るAI」として設計されているため、無音で支援ができる点が、麻雀チートとしての破壊力を高めている。
競技として見ると完全にチートで賛否両論
それでも初心者にとっては意味のある存在では!?
その一方で「麻雀の場ではAIグラスを全面禁止すべき」といった意見が相次ぎ、メディアでも紹介された。RayNeoだけでなく先行するRokidや今年登場し話題になったアリババのスマートグラスなどでも、カメラで映像を撮って、LLMに送って分析し、ディスプレーや音声から打牌の候補をアウトプットできるので、このチートは可能となる。
ただ一方的にチートは悪とするのはもったいない。確かに競技としてはまったくよろしくないが、麻雀や将棋などのゲームソフトでは、一手戻したり、ヒントを出してもらうという機能がついている。現在の手牌から狙える役の一覧がわかれば便利だし、点数計算をしてくれるとありがたい(かくいう筆者も点数計算はできない)。初心者向けと割り切れば「わからないからつまらない」を減らし、最初のハードルを下げるポジティブ要素となろう。
今回のスマートグラス麻雀チート騒動を受けて、中国メディアなどが規制とルール整備に踏み込んだ議論をし始めた。中国国外でのカジノやトランプ大会での「電子デバイス禁止」のルール強化を参考に、スマートグラスも同様に規制対象になりうるとし、SDK/アプリストアでの禁止用途ポリシーの明文化や露骨なチートアプリの配布禁止を提案している。
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