このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

10年間・10万人の接客知見からAIが見抜く“顧客のこだわり”、ただし実用化は「泥臭い世界」だった

あなたの「本当に住みたい部屋」はAIが知っている CHINTAIエージェント開発の舞台裏

2026年04月06日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「探さない部屋探し」が当たり前になる未来、さらにその先に向けて

 生成AIは、同じ質問をしても毎回少しずつ回答が変わるなど、ふるまいに再現性がない、ゆらぎがある技術的特徴を持ちます。そんな生成AIに厳しい表現ルールを守らせるために、どんな手法を使っているのでしょうか?

 この質問に、小黒さんは「あの手この手を使っています」と答えました。一筋縄ではいかないので、AIに与えるプロンプトを改善するのはもちろん、データのフローを調整したり、AIからの回答(出力)に対するガードレールも敷いたりしているそうです。

 「やり始めるときりがないのですが、やれるものはすべて活用しています。『これさえやればすべて解決できる』と言えるものがないところが、生成AIの難しいところです」(小黒さん)

 さらに、AIモデル(LLM)のアップデート間隔が短く、しばしば挙動が変わってしまうことも、生成AIを利用するうえでは悩ましい課題だと言います。「たとえば、GPT-4で通用していたやり方が、GPT-5にアップデートすると通用しなくなる可能性があります」(小黒さん)。上述したおすすめコメントでも、AIのアップデートで表現力が高まる一方、ふたたび表現ルールを逸脱するおそれがあるため、継続的なテストとチューニングが欠かせないものになります。

* * *

 「探さない部屋探し」サービスのスタートから10年以上が経ちますが、新しい部屋探しのかたちとして定着したと思いますか? そう尋ねたところ、小黒さんは「スタート当初と比べて、かなり定着したのではないかと自信を持っています」と答えました。CHINTAIエージェントのLINEアカウント友だち登録数は、累計で100万人を突破しています。

 「世代が若くなるにつれて、『自分では探さない、検索しない』スタイルが浸透しています。たとえばYouTubeやTikTokでは、『おすすめ』の提案を受けて『好き・嫌い』の意思表示をするという探し方がふつうですよね。もちろん、動画コンテンツと部屋探しとでは意思決定の重さが違いますが、『自分で探さないのが当たり前』になる流れはいずれ来る、あるいはすでに来ていると思います」(小黒さん)

 さらに「部屋を探す」というアクションだけでなく、引っ越しにまつわる各種手続きなどその前後のアクションもCHINTAIエージェントにおまかせできるような、サービス領域の拡張も考えていきたいと話しました。

 「AI時代という前提に立ったうえで、お部屋探しの行動習慣そのものを変えていくくらいのインパクトを持っていきたい。われわれCHINTAIとして、お客さまにどんな価値がご提供できるのかを常に考えていきたいと思います」(小黒さん)

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

  • 角川アスキー総合研究所

MSIが変える、未来のクリエイターを育てる教育環境

アスキー・ビジネスセレクション

ピックアップ