MSI「Prestige 16 Flip AI+ C3M」レビュー

16型の大画面OLEDノートパソコンが1.66kgだと!? Core Ultra シリーズ 3 プロセッサー搭載でペン内蔵なのに極薄、理想の2in1を見つけた

文●飯島範久 編集●三宅/ASCII

提供: エムエスアイコンピュータージャパン

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Core Ultra 9とNPUが切り拓く、AI PCの真価

 中身に目を向けると、心臓部には最新のインテル Core Ultra 9 プロセッサー 386H(P4/E8/LE4、最大動作周波数4.9GHz)を搭載している。このCPUの最大の見どころは、強化された内蔵NPU(Neural Processing Unit)だ。最大50 TOPSという強力なAI処理性能を誇り、従来のCPUやGPUに負荷をかけることなく、複雑なAIタスクをバックグラウンドで効率的に処理することができる。

「HWiNFO 64」での情報表示

 メモリーはLPDDR5X 32GB、ストレージはPCIe 4.0対応のNVMe SSD 1TBで、必要十分な容量が確保されている。

ストレージの速度を「CrystalDiskMark 9.0.1」にて計測。PCIe 4.0対応としては最速ではないものの、それに準ずる速度だ

 Windows 11のAI機能「Recall」や、ビデオ会議中のノイズキャンセリング、背景ぼかしといった機能を、バッテリー消費を抑えつつスムーズに動作させる。「Copilot+ PC」も、ようやくアプリが充実し当初発表された機能も搭載されるようになり、それらのアプリや機能のポテンシャルを最大限に引き出してくれるはずだ。

各種AIを活用した機能の設定は「MSI CENTER S」から行える

 また、冷却機構には「Vapor Chamber Cooler」を採用。これほど薄型の筐体でありながら、ハイエンドクラスのプロセッサーが発する熱を効率よく逃がし、長時間の高負荷作業でも安定したパフォーマンスを維持する。動作音も極めて静かで、カフェや静かなオフィスでの使用も気にならないレベルに仕上がっている。

ツインファンを内蔵しているが、負荷をかけても爆音まではいかず、普段使いなら非常に静かだ

 ビジネス用途であれば、このスペックは余裕すら感じさせる。複数の重いアプリを同時に立ち上げ、Web会議を行いながらドキュメントを作成するといったマルチタスク環境でも、難なくこなしてくれるだろう。

ビジネスマシンとしては最上クラス

 早速、ベンチマークテストを実行してみた。計測にあたり、電源モードを「最適なパフォーマンス」にし、「MSI CENTER S」の「User Scenario」を「AI Engine」にした上で、電源に接続して行なった。

「MSI CENTER S」では、「User Scenario」でマシン性能の調整ができる

 まずは純粋なCPU性能を測る「Cinebench 2024」から。結果は、シングルコアが121pts、マルチコアが1008ptsと、シングルコアの性能の高さがうかがえた。

「Cinebench 2024」の結果

 続いて、アプリ動作性能を測る「PCMark 10」を実行。結果は、スコアが9488とゲーミングPCに匹敵するレベルを叩き出している。足を引っ張っているのがVideo Scoreの7541で、ディスクリートGPUを搭載せず、プロセッサー内蔵の「Intel Graphics」である点を考慮すれば、かなりスコアはよく、シゴデキマシンであると言えよう。

「PCMark 10」の結果

 続いて、3D性能を測る「3DMark」のうち、「Night Raid」と「Fire Strike」「Time Spy」を実行してみた。

「3DMark」の結果

 結果は、「Night Raid」は27735とビジネス向けノートPCとしては非常に高いが、「Fire Strike」や「Time Spy」の結果を見ると、FPSのような3Dゲームはちょっと厳しい感じだ。

 そこで「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク Ver. 1.1」を実行してみたが、「高品質(ノートPC)」設定のFHDではスコアが8253と「快適」評価。標準品質(ノートPC)だと「9461」の「快適」評価なので、このくらいの設定であればプレイできるだろう。平均フレームレートも63.7fpsなので、滑らかさを感じられるはずだ。

「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク Ver. 1.1」の結果

 一方、NPUのベンチマークテストも行なった。「Geekbench AI 1.7.0」でFrameworkを「OpenVINO」、Backendを「NPU」にして実行。結果は、Single Precision(単精度)で1470、Half Precision(半精度)で14184、Quantized(量子化)で24749となった。

「Geekbench AI 1.7.0」の結果

 このことから、量子化(INT8)で最も高い値をだしており、AI推論において効率的に動作することがうかがえる。また、処理項目の結果を見ると、Style Transfer(画風変換)やDepth Estimation(深度推定)で高いスコアを示しており、クリエイティブ系の処理でパフォーマンスが高いことが期待できる。「Copilot+ PC」機能(背景ぼかし、ライブキャプション、Cocreatorなど)では、CPUやGPUに負荷をかけることなく、スムーズに処理できるはずだ。

 ただ、現状はこうしたAI処理能力を活かしたアプリがまだまだ少なく、対応アプリの登場が待たれる。特に筆者も活用しているAdobeの「Lightroom」や「Photoshop」「Premiere Pro」といったアプリもAI処理が増えてきており、GPUだけでなくNPUで処理できるよう最適化されれば、ディスクリートGPU非搭載マシンでも、クリエイティブな作業にも大いに活用できることになるだろう。NPUのパワーをフルに発揮できる時代になれば、このマシンの価値はさらに化けるに違いない。

画面はBlackmagic Designの「DaVinci Resolve 20」。ビデオの編集には丁度よい作業領域だ。機能的にはIntel Natural Engineに最適化されているとしている

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