国内データセンターを新設、国内人員やパートナーの強化施策も。業界特化のAI開発を支援
日本企業には「オープンウェイトなLLM」が必要 アリババクラウドが日本の体制強化へ
2026年03月16日 08時00分更新
世界で最もダウンロードされているLLM「Qwen(クウェン)」を中心に、オープンウェイトなモデルで存在感を示すアリババクラウド。日本市場でも、スケーラブルなクラウド基盤とあわせてフルスタックなAIソリューションを訴求していく意向だ。
特に注力するのが、オープンウェイトモデルを軸にした「AIのコモディティ化」の促進、機密性を重視する業界向けのAI開発支援である。日本市場への投資も強化し、2029年までに日本法人の人員を2.5倍、パートナーエコシステムを100社にまで増やしていく方針も明らかにした。
アリババクラウド・ジャパンサービスは、2026年3月11日、事業戦略に関する記者説明会を開催。日本法人のジェネラル マネージャーに新任した粟田岳史氏は、「オープンウェイトモデルとして強力なAIモデルを有することが、アリババクラウドならではの価値」と語った。
10億回以上ダウンロードされたオープンなLLM“Qwen”
アリババグループでクラウドコンピューティング事業を担うアリババクラウドは、日本でのビジネス展開から10周年を迎える。同社が現在、グローバルで注力するのが「AI+Cloud戦略」であり、今後3年間でAIインフラに530億ドルを投資していく。栗田氏は、「アジア市場をリードするスケーラブルなクラウド環境に加えて、AIを半導体からIaaS、PaaS、MaaS(Model as a Service)、そしてAIアプリケーションまで、フルスタックで提供するのがアリババクラウドの強み」だと強調する。
MaaSの中核となるのは、オープンウェイトで多様なLLMだ。オープンウェイトモデルとは、AIのパラメータ(重み)を公開して、誰もが独自の環境で利用・カスタマイズが可能なAIモデルである。自社データを用いた特化型のAI開発やローカル環境での安全な運用で活用される。
同社の「Qwen」ファミリーは、オープンウェイトなモデルとして世界で最も活用されているという。累計のダウンロード数は10億を超え、ファインチューニングによる派生モデルも20万以上を数える。
最新モデル「Qwen 3.5」の総パラメータ数は3970億に達し、推論時には170億に抑える仕組みを備えるなど、性能も両立しつつ最先端のアーキテクチャも採用している。マルチモーダルにも対応し、日本語OCRの精度の高さはSNSで話題となったほどだ。
その他にも、画像・動画生成モデル「WAN」ファミリーは、これまで6億4000万枚の画像、3億4000万件の動画を生成している。













