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データセンター選びの新常識 ユーザーの課題に応える選択肢を探る 第4回

トータルソリューションやマルチクラウド接続、ミッションクリティカル領域に強み

再編続く大手SIer系データセンターの現在地 AIによる電力コスト高騰にどう応えるか

2026年03月13日 10時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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日立システムズ:日立グループのDC事業を「一枚岩」へ

 3つ目に紹介するのは日立システムズだ。2025年4月のグループ再編により、日立製作所、日立インフォメーションエンジニアリング、日立システムズの3社に分散していたデータセンターサービス事業が、日立システムズに集約された。これにより日立システムズは、「日立のデータセンターの顔」としての役割を担う。

 再編後には、同社に約1500名のデータセンター専門のエンジニアが結集。グループのデータセンターを統括し、マネージドサービス群「Hitachi Systems Managed Services」を通じて、セキュリティやクラウド、BPOなどと一体でデータセンターサービスを展開する。

 こうした中で日立グループが注力するのが、電力コスト高騰に対応する「グリーンデータセンター」の実現だ。再生可能エネルギー技術に加え、エネルギーマネジメント、冷却装置などのファシリティ、ITサービスといった多様なソリューションを組み合わせて、それらをトータルに運用・管理するマネジメントシステムを構築していく。

組織再編により注力するグリーンデータセンター(日立システムズのニュースリリースより)

 ファシリティに関しては、2025年5月、コンテナ型データセンターのラインアップを「生成AI利用」「専用環境」「キャリア基地局」向けの3つのモデルにリニューアル。ニーズに合わせたデータセンターを低短期かつ安価に構築でき、遠隔操作が可能なDXロボットにより人手不足の解消にも寄与する。2026年1月には、八洲電機との協創により、Cool IT Systems製の「直接液冷システム(DLC)」の共同提供も開始している。

TISI:BCPに強いデータセンター網とIT運用のDX化に強み

 最後に紹介するのが、2026年7月にTISが同社子会社であるインテックを吸収合併して誕生するTISIだ。TISインテックグループの中核会社である2社が統合され、両社の手掛けてきたデータセンター事業も、事業基盤と共に強化されていく。

 同グループのデータセンターは、都市型(東京・大阪)と耐災害性に優れた郊外型(北陸)を組み合わせた、事業継続性(BCP)に強い構成をとる。そして、ITインフラサービス群「EINS WAVE」を通じて、コネクティビティや運用・監視などと一体化したデータセンターサービスが提供される。

 2025年10月には、分散型エッジデータセンターや液浸冷却システムを提供するQuantum Meshと協業。2026年夏頃から、両者のデータセンターをハイブリット活用したAI基盤サービスを共同展開していく予定だ。

Quantum Meshと協業イメージ(TISのニュースリリースより)

 また、長年ミッションクリティカルなシステムを運用してきたノウハウを活かした多彩な運用・監視サービスも強みである。定例作業から個別運用、災害時切り替え、ハイブリッドクラウド環境などの高度な運用まで、顧客の環境に応じた柔軟なアウトソーシングが可能だ。

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