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マネージャーは映画監督!?ゲーミングPCの雄・サイコムが設立したeスポーツチームを応援したくなる理由
2026年03月21日 10時00分更新
チーム:サイコムを運営するマネージャー2名にインタビュー
チーム:サイコムのマネージャーを務める佐藤明氏と小田学氏にも話をうかがった。佐藤氏は同社のマーケティング担当マネージャーで、小田氏はeスポーツ担当だ。
BTO PCメーカーの雄として知られるサイコムが、なぜeスポーツチームを立ち上げたのか? ここからは、運営の立場でBTO PCメーカーの新たな挑戦と、eスポーツチームに対する思いを存分に語っていただいた。
――サイコムさんが自社のeスポーツチームを立ち上げるというニュースに驚きました。チームを立ち上げた経緯がとても気になります。
佐藤氏(以下、敬称略):eスポーツの黎明期から、弊社はスポンサーとしてeスポーツチームやインフルエンサーをサポートしてまいりました。ですが、スポンサーの立場だとイマイチ踏み込めない部分や、意思決定にかかわれない部分もありまして……。それだったら、いっそのこと自分たちのeスポーツチームを作ってしまおうと。
――チームメンバーの選考基準はなにかありましたか?
佐藤:現在参加しているチームメンバーは4名で、年齢層は17歳~31歳ぐらいになります。イチバン若い子が高校生で、年長者は社会人ですね。人となりを重視しながら、選手を選考させていただきました。
――チームを立ち上げた狙いを教えてください。
佐藤:eスポーツとゲーミングPCは切っても切れない関係だと思いますので、eスポーツチームの運営を機に、本業(ゲーミングPC受注生産・販売)とのシナジーを生み出したいですね。弊社のチームがeスポーツシーンを盛り上げることでファンが増えるとともに、サイコムのバリューアップにも貢献できれば……といった期待もしています。
小田氏(以下、敬称略):夢半ばでeスポーツの道を閉ざしてしまったプレイヤーたちを救ってあげたいという気持ちも、運営の原動力になっています。僕としては、不遇な目に遭っているプレイヤーが活躍できる場を作りたい。その思いは、以前運営していたeスポーツチーム「ODD PLAN」の頃からずっと抱いていました。
eスポーツチームを設立したBTO PCメーカーの第一人者になりたい
――佐藤さんと小田さんはチームのマネージャーを務めるということですが、各々のポジションについて詳しくお聞かせください。
佐藤:私はリードマネージャーで、小田さんはマネージャーを担当します。チームの運営は基本的に小田さんにお願いしますが、最終的な意思決定については私たち2人でやっていきたいと考えています。
――BTO PCメーカーはeスポーツチームのスポンサーといったイメージが強いですが、メーカーがイチからeスポーツを立ち上げたという話ははじめて聞いたかもしれません。
佐藤:そうですね。BTO PCメーカーがeスポーツチームを立ち上げたという事例は珍しいと思います。なので、eスポーツチームを設立したBTO PCメーカーとして、我々がその第一人者になれたらいいなと。
――自社のeスポーツチームをからめた施策はなにか考えていますか? たとえば、チームコラボのゲーミングPCを出すとか?
佐藤:そういった施策も一応考えてはいますが、あまり重要だとは思っていません。どちらかといえば、eスポーツチームを通して、サイコムの理念――The Sycom Craftsmanshipを多くの方に知ってもらうことが肝心だと思っています。
マネージャーの小田学氏は映画監督⁉なぜeスポーツの世界に進出したのか
――小田さんは前職でeスポーツチームのマネージャーを務める前、映画監督をされていたそうですね。映画監督からeスポーツチームの世界へ足を踏み入れたきっかけはなんだったのですか?
小田:日活芸術学院で映画を学んだ後、36歳まで自主制作の映画を撮っていました。その後、「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」でジェムストーン賞(受賞作:『ネオ桃太郎』)をもらい、38歳で劇場公開用のデビュー作を撮らせていただきました(『サイモン&タダタカシ(2018年公開)』)。ただ、映画の商業モデルがどうしても肌に合わなくて……。僕としてはおもしろいことをやりたいと思っていても、お金が入ると逆におもしろいことができなくなると思ったからです。
――商業映画のジレンマ的な……?
小田:そうですね。そういったジレンマがあって、映画監督のキャリアを閉じることにしました。そして、「フォートナイト」もとい、eスポーツに逃避したという感じです(笑)。
――ゲームは逃避行動だったんですね。
小田:そんな日々の中、いじめで引きこもっていた中学生といっしょにオンラインゲームを遊んでいた時期がありまして、彼はeスポーツのコミュニティーを通して成長し、ついに高校へ行く決断をしたのです。そこで、eスポーツが人生を変えるコンテンツであることに気づき、感動を覚えました。eスポーツというドラマに魅了された僕は、一念発起して(サイコムの)前職の映像制作会社に就職し、eスポーツチーム「ODD PLAN」を2023年に立ち上げました。
――その後なんやかんやあって今のサイコムに合流したと?
小田:そうですね。佐藤さんからeスポーツチーム設立の話を聞き、「ぜひやりましょう!」ということでサイコムさんにジョインしました。
佐藤:小田さんはチームのマネージャー経験や社会人としてしっかりしている点もそうですが、ほかのチームマネージャーにはない”ブルドーザー”のような積極性も魅力です。ブルドーザーのように押し進める力は、新しいことをやるうえで絶対に必要なスキルだと思います。実際、イチからeスポーツチームを立ち上げた実績があるわけですから。そんな小田さんといっしょにeスポーツチームを運営してみたいと思い、チーム設立に向けて本格的に動き出したというわけです。
ゲーミングPCとeスポーツを通して、サイコムの理念を伝えたい
――サイコムさんのeスポーツチームは、どのゲームジャンルに特化しているんですか?
佐藤:いまのところ「ストリートファイター6」1択ですね。
小田:「ストリートファイター6」に絞った理由は、老若男女問わず幅広いプレイヤーがプレイしていることです。プロでも14歳から47歳までの選手が活躍している世界でして、選手寿命がめちゃくちゃ長いんですよ。チームの実力を積み重ねていくうえで、歴史のあるゲームタイトルのほうがマッチしていると思いました。長くサポートできる環境が整っている点も含めて、今回は「ストリートファイター6」を選んだ次第です。
――現時点では「ストリートファイター6」1本で勝負していくわけですが、今後は別のゲームジャンルの部門を立ち上げる可能性もあると?
佐藤:自分たちのビジョンが見えてきたら、その可能性はあるかもしれません。
――最後の質問になりますが、チーム:サイコムの目標についてお聞かせください。
小田:僕は途中からサイコムに加わった身ですが、会社の理念に関しては一応理解しているつもりです。「Craftsmanship」(職人の精神)を掲げている会社なので、社員はもちろん、eスポーツ選手も、それを支えるマネージャーやクリエイターもみな職人です。そんな職人たちの中心にあるのがサイコムのゲーミングPCなので、それを通じて多様なコミュニティーを盛り上げていければと考えています。
佐藤:BTO PC界隈だとeスポーツチームのスポンサーになった瞬間は目にする機会があっても、その誕生そのものを目の当たりにする機会はなかなか少ないことだと思います。若い選手たちがどう成長していくのか、その過程を多くのユーザーに見ていただきたいですね。
――本日は貴重な機会、ありがとうございました。
まとめ:サイコムの新たな挑戦と、eスポーツチームの躍進に期待
サイコムの新たな挑戦は、eスポーツチームの設立。BTO PCメーカーが自らeスポーツチームを立ち上げたという話は前例がなく、いまもなお驚きがぬぐえずにいる。しかし、インタビューを通した彼らの人となりはとても素敵で、すごく応援したくなった。
インタビューで印象に残っているコメントは、「彼らといっしょなら良い結果を出せるかもしれない」だった。設立されたばかりの新興チームだが、メンバーのコンディションは万全だったし、彼らが発する言葉の節々には並々ならぬ気合がこもっていた。なにより笑顔が絶えないチームだった。
今回の取材で、筆者はeスポーツチームが誕生する瞬間を目にすることができた。実に貴重な体験だったと感じている。生まれたばかりのチーム:サイコムが、今後どのような活躍を見せてくれるのか。サイコムの新たな挑戦と、チーム:サイコムの躍進に注目していきたい。
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