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ChatGPT解約運動が拡大、AIの軍事利用めぐり批判噴出

2026年03月02日 12時50分更新

文● G.Raymond 編集●ASCII

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 ChatGPTユーザーが有料サブスクリプションを解約する動きが急速に広がっている。Digital Trendsなど、海外デジタルメディアが報じている。発端となったのはOpenAIが2月28日、米国防総省と新たな提携契約を結び、自社モデルを機密扱いの政府ネットワーク内で運用可能にすることで合意したことだ。

 同日、OpenAIのサム・アルトマンCEOは自身のXアカウントで国防総省(投稿内では“戦争省”と表現)と合意に達したと発表。安全性を重視した枠組みの下で協力すると説明した。この投稿をきっかけにOpenAIに対する批判が噴出し、「#CancelChatGPT」というハッシュタグが拡散された。

 問題視されているのはOpenAIの契約そのものというよりも、軍事・情報活動・監視分野におけるAI活用の是非という、より広範な倫理感だ。OpenAIは契約にあたり、国内での大規模監視や自律型兵器、高リスクな自動意思決定への利用を禁止する安全策を盛り込んでいると主張するが、懐疑的な見方は強い。

 一方、対照的な動きを見せたのが、競合するAI企業のAnthropicだ。同社は大規模監視や自律型兵器への懸念を理由に挙げ、国防総省から提示された条件を拒否している(参考:Anthropic CEO、国防総省の圧力に反発「良心に反する要求には応じない」)。この決断が“軍事AI”に批判的な層から評価を受け、結果として「ChatGPTを解約し、AnthropicのClaudeに乗り換える」という動きを後押しした。Anthropicのアプリはその後、北米App StoreランキングでChatGPTをおさえて無料アプリの首位に踊り出ている。

 さらに、GoogleとOpenAIの従業員200人以上が軍事分野におけるAI利用により厳格な制限を求める公開書簡「We Will Not Be Divided」に署名するなど、AI業界内でも意見が割れていることが明らかになった。

 ChatGPTキャンセル運動が一過性のムーブメントに終わるのか、それとも長期的なブランド評価に影響を及ぼすのかは不透明だが、AI企業と軍事利用の関係が社会的信頼を左右する時代に入ったことは確かだ。

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