データセンター選びの新常識 ユーザーの課題に応える選択肢を探る 第2回
現地のカメラ映像を見ながら遠隔作業指示も。「オプテージ曽根崎データセンター(OC1)」の新サービス
人手不足のIT運用部門、その課題をOC1のデータセンター運用支援サービスが解決する
2026年03月03日 11時00分更新
安定稼働のために、ラックの使用電力量や温度をリアルタイム表示「Live View」
もうひとつ、現在の顧客が抱える課題が「ITシステムの安定稼働」である。システム障害やダウンタイムの発生は大きなビジネス損害につながるようになった現在、データセンターというインフラにも安定稼働が求められている。
そうした課題解決をサポートするため、オプテージではOC1の顧客向けに提供するカスタマーポータルに、「Live View(ライブビュー)」という機能を追加した。
これは、ラックごとの最大使用電力(kVA)や使用電力量(kWh)、回路ごとの電流値、ラックの温度といった詳細な情報を、ポータル上でいつでもリアルタイムに確認できる機能だ。
この機能を企画したオプテージ データセンタービジネス戦略チームの宮本亮祐氏は、これまでもしばしば、データセンターを利用する顧客からこうしたデータの提供依頼があったと振り返る。
「従来は、お客さまからご依頼をいただくたびに、個別にデータを抽出してお渡ししていました。そういうニーズがあるならば、もっと手軽にデータを抽出できる機能があれば、お客さまに喜んでいただけるのではないか。そう考えたのが、Live Viewが生まれたきっかけです」(宮本氏)
こうしたデータの監視は、システムの安定稼働と障害発生の回避につながる。たとえば、あるサーバーで急に処理の負荷が高まり、電流値が接続した電源回路の定格値を超えると、ブレーカーが作動して電源が落ちてしまう。一方、ここでLive Viewを使えば、電流値や温度が適正な範囲内に収まっているか、処理負荷が特定のラックに偏っていないかといったことを、顧客自身でいつでも確認できるのだ。
さらに、近年ではCO2の排出量削減に向けた取り組みを行う企業も多い。Live Viewのデータは、自社のITシステムが消費する電力量を細かく把握し、省電力化の対策を進めていくうえでも有効に活用できるはずだ。
これからもサービス拡充を続け、顧客課題を解決していく
今回話を聞いたデータセンター運用サービス、カスタマーポータルとも、引き続き顧客の課題やニーズをふまえながら、サービスを拡充していく方針だという。今後、どのようなサービスが登場するのだろうか。
まずカスタマーポータルでは、IXやDCIなどへの構内接続、メガクラウドへの接続などを、オンラインで迅速に見積/発注できる機能を追加する予定だという。宮本氏は「OC1のコンセプトであるコネクティビティを、さらに強化する機能です」と説明する。
また、OC1の再販を行うパートナー事業者向けに、カスタマーポータルのマルチテナント化も進めるという。再販パートナーが管理者となり、その顧客に入館申請などの操作権限を与えることで、パートナー側の運用負荷を減らす狙いだ。
DCサービス運用チームの新家氏は、作業手順書の作成や整合性チェック作業に生成AIを活用していきたいと述べた。作業手順書の正確さ、記述内容の標準化を担保しながら、作成に要する時間を大幅に短縮する狙いだ。「これもまた、お客さま側での時間とコストの削減につながると思います」と新家氏は語る。
同チームの黒崎氏は、現地作業のためにOC1を訪れる顧客へのサービス向上も考えていると話した。すでにオンラインでの入館申請、顔認証によるスムーズな入退館を実現しているほか、作業の合間にリラックスできる休憩室も設けている。「訪れたお客さまが、帰るときは笑顔になって、また来たくなるようなデータセンター――。そんな新しい体験を、“アソビゴコロ”を持って考えていきたいです」(黒崎氏)。
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オプテージでは、OC1データセンターを「国内外をつなぐ“関西圏のネットワークハブ”」と位置付けている。そしてこれからも、コネクティビティデータセンターを軸としたビジネスを拡大していく方針だ。
たとえば、OC1から首都圏の主要データセンターへのDCIサービスを開始したほか、将来的には海底ケーブルプロジェクトへの参画を通じて、海外とのコネクティビティもさらに強化していく方針だ。こうした取り組みに対し、今後10年間で総額3000億円程度の投資を計画している。
「これまで関西圏で地域密着型のビジネスを展開してきたオプテージですが、現在は日本全国、さらには海外も視野に入れています。通信事業者として、データセンター同士がつながるネットワークを全国、海外にも拡大していきたい。そうした思いがあります」(宮本氏)

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