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HPE Networkingは、キャンパスからデータセンター、セキュリティまで4分野に展開するブランドへ

Juniper・Arubaの技術融合でリード狙う HPE Networking「自律運用NW」への挑戦

2026年02月16日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 Hewlett Packard Enterprise(HPE)がJuniper Networksを買収して5カ月後、2025年12月初めにスペイン・バルセロナで開催されたヨーロッパ向け年次イベント「HPE Discover Barcelona 2025」では、ネットワーク事業への注力姿勢が強調された。

 新たにネットワーク事業(HPE Networking)を率いるのは、JuniperでCEOを務めたラミ・ラヒム氏だ。2日目の基調講演は、ラヒム氏と幹部が1時間半、ネットワーク事業を紹介する場となった。

元Juniper Networks CEOで、現在はHPE NetworkingのEVP兼プレジデントを務めるラミ・ラヒム(Rami Rahim)氏

ArubaとJuniperの融合で「セルフドライビングネットワーク」でリーダー目指す

 HPEは現在、「モダンなITのビルディングブロック(必須構成要素)」と位置付ける、AI/クラウド(ハイブリッドクラウド)/ネットワーキングの3領域に注力している。ネットワーキング領域では、新たにJuniperを獲得したことを契機として、「HPE Networking」ブランド、および「HPE Aruba Networking」「HPE Juniper Networking」という2つのサブブランドが誕生している。

 初めてのHPE Discover登壇となったラヒム氏は、「買収完了から5カ月の間、チームを統合して、新たにHPE Networkingを立ち上げた。業界トップレベルのエンジニア、プロダクトマネージャー、営業・サービスのプロが結集した、2万人の組織だ」と報告した。今年のHPE Discover Barcelonaは、旧Juniperの顧客やパートナーが参加したこともあり、過去最大の規模となった。

 HPE Networkingに統合されたArubaとJuniperは、「『新たな業界リーダーになる』という共通のビジョンと目標の下驚くべきスピードで一体となり、作業を始めている」(ラヒム氏)。さらに、JuniperとしてはHPEとの統合を通じて、ネットワーキング以外の幅広い技術にアクセスできるようになったと語る。

 「我々は、新しい世代のネットワークを提供する。(AI、クラウドにより)ネットワーキングの重要性はかつてないレベルになっており、そのタイミングは完璧だ」

 HPE Networkingが描く「新しい世代のネットワーク」とは“セルフドライビング”、すなわち自動運転(自律運用)型のネットワークである。ネットワーク運用はこれまで、データの収集、インサイトの獲得、AIによるアクションの推奨、さらにアクションの支援と、段階的な進化を続けてきた。ここにエージェンティックAIの技術が加わることで、セルフドライビングネットワークへと進化するというビジョンだ。

 「ネットワーク自身がすべてを行う。人間はもうネットワークの運用に目を光らせる必要はなくなり、より創造的な業務に取り組むことができる」

エージェンティックAIの技術を追加し、セルフドライビングネットワークを進化させていく

AIのためのネットワーク、AIによるネットワークの両面で成果

 今回は、JuniperとArubaの統合による最初の成果として、4つを披露した。

 1つ目は、セルフドライビングで重要な「ネットワーク向けのAI」である。これまでJuniperは「Mist」、Arubaは「Aruba Central」で運用自動化のAI技術を提供してきたが、両者の相互運用を進めることを発表している。具体的には、MistのAIモデル(LEM:Large Experience Model)と「Marvis Actions」がAruba Centralに統合され、Aruba CentralのAI支援によるクライアントプロファイリング技術やインサイトがMistに統合される。これらは2026年第1四半期に実現する予定だ。

 「これは始まりに過ぎない。我々はクロスポリネーション(境界を超えた相互作用」を続け、すべてのユーザーに双方のプラットフォームのベストな部分を提供する。すべての顧客が、イノベーションの恩恵を受けることができる」

 2つ目は、AIデータセンター向けの新製品となるスイッチ「QFX 5250」と、エッジルーターの「MX 301」だ。ともにJuniperの流れをくむ製品であり、QFX 5250ははBroadcomのTomahawk 6チップセットを搭載した「業界最速のデータセンタースイッチ」(ラヒム氏)だという。一方のMX 301は、エッジAIの推論ニーズに応える製品であり、超コンパクト、高い電力効率といった特徴を持つ。

マルチサービスエッジルーター「MX 301」

 3つ目はオブザバビリティ。ここでは、JuniperのApstraとArubaのオブザバビリティを統合。「インテントベースのデータセンターネットワークインテリジェンスとフルスタックの可観測性を統合する」と述べた。

 4つ目は提携だ。まずNVIDIAとは、リファレンスアーキテクチャに基づくAIファクトリーを提供する。HPE NetworkingからはMX、PTX(旧Juniperのルーターブランド)などがソリューションにおいて不可欠な役割を果たすという。またAMDとの提携では、AMDのAIラック“Helios”を提供する最初のシステムベンダーとなり、標準ベースのイーサネットなどの技術が特徴になるという。

 さらに今回、JuniperとArubaの両プラットフォームに対応するWi-Fi 7アクセスポイントを、2026年始めに提供開始する計画も発表した。

Juniper/Arubaのデュアルプラットフォーム Wi-Fi 7アクセスポイントの提供予定を発表

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