「物価高は関係ない」「兄弟姉妹・親族間で公平性を保ちたい」
物価高の時代、お年玉はいくらにした? 60代以上の8割超は「増やさない」と回答
2026年01月08日 12時00分更新

今年の正月、「お年玉」を家族や親戚に渡した人は多いはずだ。物価の上昇が日常生活のあらゆる場面に影響を及ぼすなか、年始の恒例行事であるお年玉もそのあり方が問われつつある。物価高を実感していても、果たして金額は変わるのか。60代以上を対象にした調査から、高齢世代の現実的な判断が浮かび上がってきた。
シニアのフリーランス求人サイト「レガシーフォース」を運営するモロは、60代以上の高齢者を対象に「インフレとお年玉に関する実態調査」を実施し、その結果を2025年12月に発表している。調査はインターネットを通じてお年玉をあげる予定の60代以上500名から回答を得たもの。ただし、あくまで2026年の調査ではなく、昨年12月時点による“予定”の調査であることには留意したい。
同調査によると、2026年に予定しているお年玉の金額について「増やさない」と回答した人が85.2%にのぼり、大多数が昨年と同じ金額を維持する意向を示した。「増やす」としたのは14.8%にとどまった。
調査対象の98%が日常生活で物価上昇を感じていると回答しているにもかかわらず、実際のお年玉の支出額は据え置かれる傾向にある。
お年玉を支出することについて「負担に感じる」と答えたのは60.8%に達し、「とても負担」「やや負担」と答えた人が多数を占めた。一方で、「あまり負担に感じない」「全く負担に感じない」とする意見も一定数存在している。
調査では、お年玉の総額は「1〜3万円」がもっとも多く、中央値は約2万円であった。また、贈る人数は中央値で2人、一人あたりでは1万円が定番の金額として挙げられている。
お年玉を増やさない理由としては、「一般的なお年玉の基準があるため物価高は関係ない」「兄弟姉妹・親族間で公平性を保ちたい」といった意見が多く挙げられた。家計への負担や周囲の習慣を意識した回答も一定数あった。
同リリースでは、30年前の1995年と2025年の物価を比較し、少年マンガ雑誌であれば同じ1万円で購入できる冊数が当時の55冊からおよそ33冊に減少した例を示している。この比較から、インフレによってお年玉の実質的な価値が目減りしている実情が浮かび上がっている。
物価上昇によってお金の価値が変化する一方で、お年玉には金額以上に「慣習」や「気持ち」が重ねられていることが、今回の調査からうかがえる。実質的な価値が目減りしてもなお、金額を変えないという選択は、高齢世代なりの現実的な判断とも言えるだろう。
インフレ時代において、お年玉という文化をどう捉え、そして続けていくのか。その問いは、受け取る側だけでなく、渡す側にも静かに突きつけられているのかもしれない。














