MSI「Claw A8 BZ2EM」レビュー
15万円でここまで快適プレイ!Ryzen Z2 Extreme搭載ポータブルゲーミングPCの実力を検証。ジャンル別の設定も教えます
これともうひとつ、クイックセッティングボタンを押して起動する「MSI Quick Settings」メニューがある。こちらはよく使うだろう液晶輝度変更や音量調節、パフォーマンス設定……等々を素早く切り換えられる。MSI Center MとMSI Quick Settingsがあればゲーム機としてだいたいのことは可能で、Windowsのデスクトップ画面を使うのはよほどの時という感じだ。
パフォーマンス設定では、「AIエンジン」「耐久性」「手動」の3つが用意されている。基本は「AIエンジン」、つまりシーンに合わせて自動で調節される。「耐久性」も同様に自動で調節されるが、やや発熱を抑えた方向性のようだ。この点、「耐久性」と言うよりはバッテリーセービングのほうが正しいように思える。最後の「手動」を選ぶと「SPL」、「SPPT」、「FPPT」をスライダーから変更できる。SPLは最大35W、SPPTは最大40W、FPPTは最大48W。最大まで引き上げるとAIエンジンよりも高性能になるが、当然、発熱と動作音、バッテリー消費も大きくなる。遊びたいゲームであと少し快適ラインまでfpsが足りないといった時に効くという印象だ。
また、12月4日にはMicrosoft Xbox Full Screen Experience(FSE)にも対応した。日本語では「全画面表示エクスペリエンス」とされている。MSI Center MのようにClaw A8 BZ2EMの起動時に全画面表示のUIが現れ、ゲームランチャーとして利用できる。Microsoft StoreのほかSteamなど、ほかのオンラインゲームプラットフォームでインストールしたゲームもライブラリに集約可能だ。なお、ここから起動するゲームも全画面表示で実行される。いわゆるWindows UIのデスクトップモードとXbox 全画面表示があり、Xbox 全画面表示では再起動が必要になるが「最適化されたパフォーマンス」も利用できる。方向性的にはMSI Center Mのようでもあり、Microsoft謹製ということもあってより深い部分のチューニングもできるといった位置づけになるだろう。
Ryzen Z2 Extremeで24GBメモリ。スペックはハイエンドモバイルノート級
ハードウェアスペックの話に移ろう。Claw A8 BZ2EMは現時点で1モデル。CPUはRyzen Z2 Extremeを、GPUはその統合GPU機能Radeon Graphicsを用いており、メモリはLPDDR5Xで24GB、ストレージはNVMe SSDで1TBといったものだ。Ryzen Z2 Extremeは8コア16スレッド対応のCPUコアを備え、公式には最大ブーストクロック5GHz、ベースクロック2GHz、デフォルトTDP 28W、cTDP 15=35Wとされている。統合GPUのRadeon Graphicsは、RDNA 3.5世代のアーキテクチャでコア数が16基、最大クロックが2.9GHz。また、最大50TOPSのNPUも統合されている。










