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arrows Alphaの「大丈夫。強いから。」はマジなのか!? 実際にクルマで踏んでみた結果

2025年12月24日 11時00分更新

文● スピーディー末岡 編集●ASCII

提供: FCNT

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arrows Alphaの耐久性を可能にする理由を
開発者に分解してもらいながら聞いた

 arrows Alphaはなぜこんなにも頑丈なのか? そのヒミツを知るべくFCNTの中の人こと開発者であるFCNT プロダクト事業部・第二開発部 久保 洋さんにお話を聞きました。なんと端末をリアルタイムで分解しながら、頑丈な理由を教えていただきました!

FCNT プロダクト事業部・第二開発部の久保さん

 arrows Alphaのような端末の耐久設計は、単に丈夫なだけでなく、「防水性」「耐衝撃性」「デザイン性」を高いレベルで両立させることです。特に、外部からの侵入を防ぐ「防水性、防塵性」には、特殊な技術が多用されています。

粘着剤による強固な密閉構造

 背面パネルをはじめ、筐体の接合部には、防水仕様の特殊な接着剤(粘着剤)が使われています。この粘着剤は、水分の侵入を防ぐだけでなく、落下による衝撃でパネルが剥がれるのを防ぐ役割も担っており、バランスを考慮して約100種類近くの素材をテストしたそうです。

熱で接着剤を緩くします ※十分な知識を備えたエンジニアによるものなので、絶対にマネをしないでください

 粘着剤を確実に機能させるため、筐体の貼り付け面には、エッチング処理を施して意図的に凹凸をつけています。これにより、粘着剤との密着面積が広がり、凹凸がアンカーのように機能して剥がれにくくなるのです。

ちょっと空いた隙間にギターのピックを差し込んで、背面パネルを外します

背面パネルが完全に外れました

 ただし、すべての箇所で同じ粘着剤を使っているわけではありません。たとえば、バッテリーを固定する粘着剤は、修理やリサイクルの際、負荷をかけて破裂させる危険を避けるために、冷やすことで粘着力が完全に低下し、簡単に剥がせる素材が選ばれています。

ネジ配置と基板の保護

 内部で使用されているネジは部品を固定するだけでなく、落下時の基板の歪みを制御するという重要な役割を持っています。基板の歪みが大きいと、その上に実装されている細かな部品が剥がれたり壊れたりして機能障害につながるためです。ネジの位置や本数は、解析シミュレーションを通じて、落下衝撃時に基板が最適に歪むように配置されています。

上部にはカメラユニットを含めた主要部分が配置されています

細かいネジが多いので、機械を使って外していきます

かなり繊細な作業が必要とされます

カメラユニットです

 また、USB Type-Cコネクターなどの外部接続端子は、衝撃で接合部が浮き上がりやすい(抜けやすい)ため、コネクターの両脇をネジでしっかりと固定しています。さらに、クッション性の高い材料を貼り付けて上から押さえつけ、コネクター抜けを防止する工夫をしているとのこと。

四隅の保護と水の侵入防止

 本体のフレーム設計において、ディスプレーを保護することは重要です。本機では、四隅(四つ角)のフレームをわずかに盛り上げることで、デザイン性を損なうことなく、どんな角度で落下してもガラス面が直接衝撃を受けないようになっています。

バッテリーは特殊な接着剤なので冷却装置で冷やします。すると、パコっと外れます。背面パネルと逆ですね

ディスプレーの裏面はこのようになっています

 マイクやスピーカーの穴については、水やホコリの侵入を防ぐために、空気の通り道をクランク状(くの字型)にしたり、特殊な目の細かいメッシュ(網)を組み込んだりして、防塵防水性を確保しています。これは、中の空気が膨張した際に逃げ道(呼吸穴)を確保しつつ、水やホコリの侵入は防ぐという、高度な設計によって成り立っています。

ベイパーチャンバー(冷却装置)も姿を現わしました

 このように、普段は見えない本体内では超高度な技術と設計によって、壊れにくくなっているのです。ラグド系のデザインではない、一見普通のスマホのarrows Alphaをここまで頑丈にするとは、開発者の苦労は想像に難くないですね。

今回分解したパーツ

arrows Alphaは本体の設計やパーツの配置で、堅牢性や防水性を実現しているのです

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