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西日本へのネットワーク拡張も進行中、「本社からの注目度も高い」 APAC社長・水谷氏

「2026年は海外進出する日本企業のパートナーに」 Coltが最新の取り組みを説明

2025年12月10日 12時45分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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「耐量子暗号通信」「AI-Readyネットワーク」などのイノベーションも

 Colt COOのベイヤー氏は、ネットワークやデジタルインフラを取り巻く市場トレンドが、「大きく、かつ急速に」変化していることを指摘する。そのうえで、Coltにおける最新のイノベーションを4つ、紹介した。

市場ニーズの高まりをふまえて開発投資を進める方針

 まずは「耐量子計算機暗号」通信だ。ベイヤー氏は、量子コンピューティングの技術進化に伴って、従来方式の暗号通信が解読されてしまう日=“Q-デイ(Q=Quantum=量子)”がやがてやって来ると指摘。Coltではすでに、量子コンピューターによる暗号解読に耐えうる耐量子暗号技術の実装に向けた投資を行っており、東芝やハネウェルなどと共同開発や実証実験を進めていることを明かした。

耐量子暗号通信については、都市圏内、都市間、大陸間での実証と実装をすでに進めている。ハネウェルとは低軌道衛星(LEO)通信の耐量子暗号化にも取り組んでいる

 大容量通信ニーズの高まりに応じて、「テラビット級の光伝送装置(トランスポンダー)」導入も進めている。たとえば日本国内では、東京-大阪間(650km)のネットワークに、1波長あたり1Tbpsのトランスポンダーを導入し、バックボーンを増強している。

大容量通信ニーズに合わせてバックボーンの増強も加速

 企業におけるAIニーズの急速な高まりに合わせて、「AI-Readyなネットワークサービス」の実装も進めている。ここでは、大容量のデータセンター接続だけでなく、クラウドサービスやマネージドGPUサービスへのセキュアな接続、さらには“エッジAI”向けの接続といったサービスを通じて、企業の複雑なAI環境をサポートしている。

 なおColtでは、NaaSの提供ですでに10年間の実績を持っている。現在では、オンデマンドの接続性や帯域幅調整だけでなく、特定の国を迂回する経路選択(ソブリンルーティング)、よりカーボンフットプリントの少ない経路選択(グリーンルーティング)といったことまでが可能だと述べた。

データセンターだけでなく“エッジ推論AI”向けの接続性も強化している

 最後に、インフラ投資については「海底通信ケーブルの敷設」に注目してほしい、と語った。Coltでは、LumenのEMEA事業買収に伴って、大西洋横断ネットワークの一部も自社保有することになった。そして現在は、太平洋側のネットワーク拡大も進めており、日米間をつなぐネットワーク容量の増強に乗り出しているとした。

大西洋側に続いて太平洋側の海底ネットワークにも投資していく

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