第4回 見える&つなぐ!ヤマハのネットワーク レビュー&レポート

失敗しないスイッチ選び、TECH.ASCII.jpのオオタニが教えます。

スイッチはどれも同じなのか? ヤマハのスイッチを導入すべき10の理由

文●大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: ヤマハ

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■理由4 100Gbpsにも対応 大容量ネットワークもおまかせ

 ネットワークは大容量化の一途をたどっている。数年前までは10Gbpsは大容量ネットワークと言えたかもしれないが、100Gbpsのスイッチやサーバーがより安価に利用できるようになったことで、従来はデータセンター向けだった100/25Gbpsが企業ネットワークでも利用されるようになっている。

 12月に発売されるヤマハの新スイッチ4製品は、いよいよ100/25Gbpsに対応する。4機種すべてがアップリンクポートとして100GbpsのQSFPインターフェイスを2つ、25GbpsのSFP28インターフェイスを4つ搭載し、従来機種を超える高速伝送を実現する。

100/25Gbpsのアップリンクが搭載されている

 100/25Gbpsのアップリンクは基幹ネットワークの大容量化に寄与する。スイッチ間を接続することで、大容量ネットワークを構築できるだけでなく、スタック機能でスイッチ本体の冗長化も可能になる。また、100/25Gbpsインターフェイスを搭載したサーバーとの高速なリンクを実現できる。エンタープライズの基幹ネットワークにヤマハスイッチという選択肢が増えたわけだ。

QSFP28対応のアクティブオプティカルケーブルで100Gbpsの高速伝送が可能

■理由5  SNMP、sFlow、Ansible、Syslogでヤマハスイッチを管理できる

 ヤマハのネットワーク機器を導入することで、LANマップやYNOなど、便利なネットワーク管理機能を利用できるところまでは理解できた。では、他社製品が混在したネットワーク環境では、管理は難しいのだろうか? その答えはNo。ヤマハはさまざまな業界標準プロトコルやツールの管理に対応している。

 たとえば、ネットワーク管理の標準プロトコルとして用いられているSNMPは、スマートスイッチ、インテリジェントスイッチなどでもサポートされている。そのため、SNMP対応のマネージャーからヤマハのスイッチを管理することが可能だ。また、sFlowによるトラフィック監視、オープンソースの構成管理ツールAnsibleによる運用自動化、Syslogを用いたログ監視なども可能。他社製品との混在環境におけるネットワーク管理についてもきちんと情報提供されるので、ユーザーも安心して導入できる。

■理由6 今どき接続するのは無線LANアクセスポイント PoE対応が重要

 昨今、スイッチをつなげるのは、サーバーやスイッチだけではない。現在、従業員が利用するPCやスマホは無線LAN経由で社内ネットワークに接続するパターンが多いので、スイッチも無線LANアクセスポイントとの接続を前提とすべきだ。

 ヤマハも無線LANアクセスポイントをラインナップしているが、ここで重要なのがスイッチの伝送容量と給電機能になる。現在企業で利用されているWi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)は最大通信速度が9.6Gbpsなので、スイッチ側も1Gbps、可能であれば10/5/2.5Gbpsへの対応が必須だ。また、無線LANアクセスポイントも給電能力が必要になっているため、最新のPoE規格に対応したスイッチが必要になってくる。

 ヤマハは以前からPoEスイッチのラインナップ拡充を進めてきたが、12月にはPoE++(IEEE 802.3bt)に対応したインテリジェントL2 PoEスイッチの「SWX2322P-30MC」が発売される。ダウンリンクにあたる10Gbpsポート×24がすべてPoE++に対応しており、1ポート当たり90W、装置全体で720Wの給電に対応する。これにより、導入が進むWi-Fi 6/6Eや、今後普及が見込まれるWi-Fi 7(IEEE 802.11be)対応の無線LANアクセスポイントへの給電が可能になる。高速な無線LANアクセスポイントの導入を検討しているのであれば、運用もLANマップで一元管理できるので、管理者はさらにうれしい。

無線LANアクセスポイントの高速化にスイッチも対応する

■理由7 ネットワークが落ちたら本当に困る だから機器も電源も冗長化

 エンタープライズのネットワークでは、伝送容量だけではなく、可用性が重要だ。特にフロアネットワークを束ねる基幹ネットワークは、ダウンすると業務に大きな影響が出てしまう。落ちないネットワークを実現すべく、基幹ネットワーク向けのスイッチは本体や電源の冗長化が施されている。スイッチ自体をモジュール化したシャーシ型スイッチという選択肢もあるが、高価で消費電力が高いという課題がある。

 これに対してヤマハのL3スイッチであるSWX3220シリーズは、2台のスイッチを1台の仮想スイッチとして動作させるスタック機能に対応する。2台のコアスイッチをスタック接続し、フロアスイッチからそれぞれのスイッチにリンクアグリゲーションで接続を冗長化する。これにより、コアスイッチの1台が障害を起しても、残りの1台で通信を継続できる。

 また、12月に発売される「SWX3220-30MC」「SWX3220-30TCs」は、電源の冗長化に対応。ホットスワップ可能なオプションの電源ユニットを本体に追加で搭載することで、片方に障害が発生しても、もう一方で動作を継続することができる。これにより、ネットワークを停止させることなく電源ユニットの交換が行なえる。スタックに加え、電源の冗長化まで実現したヤマハのスイッチであれば、高い可用性を持った基幹ネットワークを実現する。

冗長化電源に対応。ホットスワップで交換できる

■理由8 L2スイッチだけじゃない L3スイッチはBGP+までライセンス不要で使える

 企業ネットワークのある程度の規模になると、ルーティング可能なL3スイッチが必要になる。ユーザーの端末や無線LANアクセスポイントを接続するフロアスイッチと、それらフロアスイッチを束ねるアクセススイッチ、そしてそれらのアクセススイッチを束ねるL3スイッチと、階層状のネットワークを構成し、ルーターでWANやインターネットに接続するのが、企業ネットワーク構築のセオリーだ。

 ヤマハは2011年にスイッチ市場に参入しているが、L3スイッチの投入は2018年になる。そのため、いまだに「ヤマハのスイッチ=L2スイッチ」というイメージを持っているユーザーも多いかもしれないが、8年の間にL3スイッチの機能強化やラインナップもどんどん進化している。

 そもそもヤマハのネットワーク機器はルーターからスタートしているので、ルーティングやIPに関しては高い実績を持っている。実際にL3スイッチは、ルーティングプロトコルとしてRIP、OSPFはもちろんのこと、インターネットの上流ネットワークで用いられているBGP4+までライセンスなしで利用できる。ハードウェアと別にライセンスを管理する必要もなく、高度な機能を手軽に利用できる点は強調したいところ。IPv6対応のBGP4+は今後の企業ネットワークでも重要になるため、ヤマハのL3スイッチは選択肢に加えておきたい。

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