実際の開発モードとはどんなものなのか
Windows 11の「設定」→「システム」→「詳細設定」→「開発者向け機能」にある「開発者モード」は、プログラムのインストールをMicrosoftストア以外から可能にするための設定である。過去には開発者向けのプログラムなどのインストールができたが、現在ではインストール元の設定のみのようだ。
その下の「デバイスポータル」は、簡易Webサーバーを動かし、他のPCから接続して、内部状態などを見るための仕組み。外部からの接続を受け付けるという意味では、セキュリティ的に多少危険なところがある。Microsoftのコードとはいえ、完璧なコードは世の中に存在せず、万一侵入口となってしまう可能性はゼロではない。
そのためにリスクを理解し、開発者に限って設定を解放している。なお、この設定とその下の「デバイスの検出」に関しては、「開発者モード」がオンになっていないと、有効化できないようになっている。
「デバイスの検出」は、オンにしたマシンで「mDNS」(マルチキャストDNS)を有効にする。mDNSは、DNSサーバーに接続できないLANなどで、ホスト名からIPアドレスを得る仕組みである。mDNSが有効となったホスト(PC)は、マルチキャスト問合せで、自分のホスト名に対してIPアドレスを返す。
簡単に言えば「デバイスの検出」を有効化すると、Visual Studioなどの開発環境から「ターゲットデバイス」として選択できるようになる。なお、開発環境は多くの場合、自分自身を実行しているローカルマシンを別の方法で認識するため「デバイスの検出」を有効にする必要がない。
一般的には、開発したソフトウェアを実行する別のPCで設定しておくためのもの。このときも、ソフトウェアのインストール元は、Microsoftストア以外になるため、開発者モードをオンにしておく必要がある。
この下にある「開発ドライブ」に関しては、過去記事(「開発者向けに性能が高い、Windowsの「開発ドライブ」を試す」)を参照してほしい。
そのほかの設定も見る
「設定」→「システム」→「詳細設定」→「タスクバー」→「タスクの終了」は、どちらでもかまわない。プログラム開発の初期段階で強制終了が続くようなときには、オンにしてあると、タスクマネージャを使わず、短い手数で作業ができるようになる。
「エクスプローラー」設定は、エクスプローラー自体のオプションメニューで起動するフォルダーオプションダイアログの表示タブにある、項目の一部のみが設定ができる。どちらで設定してもかまわない。過去記事(「結構変化しているWindows 11のエクスプローラーの基本設定を見直す」)を参照してほしい。
「設定」→「システム」→「詳細設定」には、無害なものもあるが、多少危険なものもある。少なくとも、設定項目を有効にするなら、意味を理解してからの方がいいだろう。

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