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ユニバーサルコミュニケーション技術のショーケース「みるTech」レポート

音を見て、感じるテクノロジーが集結 デフリンピックから広がる“誰もがつながる世界”

2025年11月21日 11時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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デフリンピックから広がるデジタル技術を用いた“共生社会”

 デフリンピックは、最も歴史のある障がい者スポーツの国際大会であり、今回、第1回大会から100年目を迎える。81の国・地域および3チーム(ろう者個人中立選手・デフリンピック難民チーム・デフリンピックチーム)から、計3081選手が参加。過去最多の人数で、21競技209種目を競い合う。

 全日本ろうあ連盟のデフリンピック運営委員長である久松三二氏は、「日本では、長い間、ろう者を取り巻く状況が知られていなかった。ろう者のスポーツ大会が各地で開催されているが、ろう者だけで運営を担い、一般社会の目に触れる機会は少ない。今回のデフリンピックで、この状況を変えられるかが課題」と語る。

 そのため大会では、3つのテーマを掲げている。「子どもに夢を与えること」、「情報・コミュニケーションバリアフリーを推進すること」、そして「ろう者と聴者の共生社会を実現すること」だ。

全日本ろうあ連盟 デフリンピック運営委員会 委員長 久松三二氏

 本大会では、こうした目標に向け、全日本ろうあ連盟と東京都が連携して運営する新たなあり方を導入。加えて東京都は、大会開催に向けて、「いつでも・どこでも・誰とでも」つながるユニバーサルコミュニケーションを広げる活動を続けてきた。

 大会中は、みるTECH以外にも、透明ディスプレイやビジョンディスプレイを競技会場に設置。競技観戦においても、水泳では、競技解説などが表示される「スマートグラス」、卓球やバトミントンでは、競技音をオノマトペとして見ることができる「ミルオト」、柔道では、競技音を振動で体感できるデバイス「Hapbeat」が体験できる。

競技音をオノマトペとして見ることができる「ミルオト」(Webサイトより)

 2020年に開催された東京オリンピックは、東京の街にバリアフリーが広く採用され、ユニバーサルデザイン化が進んだきっかけとなった。是非、みるTechに参加し、大会を機に広がることが期待されるユニバーサルコミュニケーションを体験して欲しい。

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