MSIのスリムPC「PRO DP80」レビュー
パソコンの調子が悪くて~なんて言い訳が通用しないビジネスPC。D-subやPS/2などレガシーI/Fを多数搭載、LANも2ポートで冗長性ありのマシンを選ぼう
USB接続のキーボードとマウスが同梱しており、キーボードはテンキー付きでCopilotキーも備わっている。
セキュリティ機能としては、データ暗号化を実現するdTPM 2.0に対応するほか、ケンジントンロックと南京錠をサポートするなど物理的なセキュリティ強化も施されている。まさにビジネスマシンとして考えられた仕様になっているのが本製品だ。
PCMark 10のスコアが5600オーバーで十分な性能を発揮
どれほどの性能なのか、ベンチマークテストを実行してみた。「MSI Center」アプリで「MSI AI Engine」をオンにした状態で計測している。なお、電源の設定は、選択項目がなかったためデフォルトのまま行なっている。
まず、CPU性能を測る「Cinebench 2024」を実行した。結果は、マルチコアが740pts、シングルコアが105ptsで、ミドルクラスの性能となっている。Cinebenchはコア数とスレッド数が物をいうが、ビジネス用途なら10コア/16スレッドあれば、処理能力として不満に感じることはない。
続いて、アプリを動作させたときの性能を見る「PCMark 10」を実行した。結果は、スコアが5615と5600を超えており、外付けGPUを搭載しないマシンとしては優秀な部類だ。スコアを細かく見ると、GPUが効くレンダリング系やビデオ系のスコアは5000~6000程度だが、それ以外の基本動作(EssentialsやProductivity)は7000以上であり、ビジネスワークでは十分すぎる性能といえる。
ストレージ性能は、「CrystalDiskMark 9.0.1」を実行したところ、シーケンシャルリードが3500MB/秒、シーケンシャルライトが3184MB/秒とPCIe 3.0性能のSSDだが、ランダム性能も高く、ビジネスにおいては十分な速度域だろう。
容量が512GBと少々心もとないかもしれないが、最近はクラウド上に保管する企業も多いはずなので、作業用の領域があれば十分やりくりできる。M.2スロットはひとつしかないため、拡張するにはHDDや2.5インチSSDなどが選択肢となる。最近はUSB接続で高速なSSDもあるので、容量が足りなくなれば、そうした外付けストレージを活用するとよい。
高コスパでビジネスの現場にピッタリの1台
写真は、ビジネス向けディスプレー「PRO MP273QP E2」。27インチWQHD解像度で作業領域を広く使えるため、同時導入におすすめ。ピボットによる縦画面も利用可能で、スピーカーも内蔵。実売価格は2万9800円前後
「PRO DP80 A14G-065JP」はMSIストア価格11万9799円と12万円を切る価格で、2年間保証も付帯しており、かなりの高コスパといえよう。
まだWindows 10マシンを使っている企業にとって、買い替えコストが膨らむことを懸念しているのであれば、既存のディスプレーを活用でき、狭いデスクの上にもおける省スペース設計の本製品は、選択肢の1つとしてぜひ検討してほしい。D-subやPS/2ポートといったレガシーポートへの対応は、企業の既存資産を活かすという点で大きなメリットといえる。
これだけの性能があれば、しばらく活用できることは間違いないので、オフィスワーク用としてだけでなく、テレワーク用としてもおすすめしたい。
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119,800円

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29,800円







