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T教授の「戦略的衝動買い」 第850回

年初にAndroid搭載のカラーE Ink端末「Bigme B751c」を衝動買いして9ヵ月使ってみた

2025年11月01日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●ASCII

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結局誰に向くデバイスなのか?

 Bigme B751cは、スペック・品質・コストパフォーマンスのバランスに極めて優れたコンパクトな製品だ。本体実測は217gという軽さ、充実したアプリ環境、Ai対応、ペンによる直感的操作など、持ち歩きハードウェアとしての完成度は高い。しかし、筆者のようにすでに他のE InkデバイスやPC環境で作業を完結させているユーザーには、活用の幅が限られてしまう。

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217gの軽さはメリット。イマドキのスマホ並だ

 では、この端末が真価を発揮するのはどんなユーザーかを考えてみた。それは「電子書籍やPDFデータ等を読む機会が多く、目に優しい表示デバイスを求める人」、そして「アナログメモ派だが、デジタル化も視野に入れたい人」だろう。クラウド連携や手書き入力を日常的に使いこなす層にとって、Bigme B751cはシンプルかつ完成されたプラットフォームとなりうる。

カラーE Inkの未来とBigmeの挑戦

 Bigme B751cは、AndroidベースのカラーE Ink端末として完成度の高い1台だが、同時に“未完の実験機”でもある。Androidの柔軟性ゆえに何でもできてしまうが、カラーディスプレイとして見ると、その発色の問題がある。ユーザーは「目に優しい、紙のような表示」を選ぶのか、「鮮やかさ」を求めて通常のタブレットに回帰するのか……E Ink技術の進化が問われる分岐点にいる。

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カラーE Inkは今後どのような進化を遂げるだろうか

 後継機種であるBigme 7シリーズでは描画の滑らかさや発色が改善されており、今後さらに実用的なカラーE Inkへと進化する兆しもある。電子ペーパーの「次の10年」を見届けるためにも、B751cはその節目となるガジェットと言えるだろう。衝動買いではなく、カラーE Ink端末は自分の目で見て納得して購入するのがベターだろう。

 
T教授

今回の衝動買い

・Bigme B751c カラー電子ペーパー メモ帳
・購入元 Amazon.co.jp
・価格 約3万5000円

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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