結局誰に向くデバイスなのか?
Bigme B751cは、スペック・品質・コストパフォーマンスのバランスに極めて優れたコンパクトな製品だ。本体実測は217gという軽さ、充実したアプリ環境、Ai対応、ペンによる直感的操作など、持ち歩きハードウェアとしての完成度は高い。しかし、筆者のようにすでに他のE InkデバイスやPC環境で作業を完結させているユーザーには、活用の幅が限られてしまう。
では、この端末が真価を発揮するのはどんなユーザーかを考えてみた。それは「電子書籍やPDFデータ等を読む機会が多く、目に優しい表示デバイスを求める人」、そして「アナログメモ派だが、デジタル化も視野に入れたい人」だろう。クラウド連携や手書き入力を日常的に使いこなす層にとって、Bigme B751cはシンプルかつ完成されたプラットフォームとなりうる。
カラーE Inkの未来とBigmeの挑戦
Bigme B751cは、AndroidベースのカラーE Ink端末として完成度の高い1台だが、同時に“未完の実験機”でもある。Androidの柔軟性ゆえに何でもできてしまうが、カラーディスプレイとして見ると、その発色の問題がある。ユーザーは「目に優しい、紙のような表示」を選ぶのか、「鮮やかさ」を求めて通常のタブレットに回帰するのか……E Ink技術の進化が問われる分岐点にいる。
後継機種であるBigme 7シリーズでは描画の滑らかさや発色が改善されており、今後さらに実用的なカラーE Inkへと進化する兆しもある。電子ペーパーの「次の10年」を見届けるためにも、B751cはその節目となるガジェットと言えるだろう。衝動買いではなく、カラーE Ink端末は自分の目で見て納得して購入するのがベターだろう。

今回の衝動買い
・Bigme B751c カラー電子ペーパー メモ帳
・購入元 Amazon.co.jp
・価格 約3万5000円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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