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JR西日本がローカル線の収支状況を公表 100円を得るのに9945円かかる区間も

2025年10月30日 08時30分更新

文● 二子/ASCII

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 JR西日本は、輸送密度が1日あたり2000人未満の19路線32線区について、2022~2024年度の3年間での平均の収支率など経営状況を公表した。

 赤字額が最も大きいのは山陰線の出雲市~益田間で32.5億円。島根県内の都市を日本海沿いに結ぶ主要路線だが、129.9kmという長さもあり、赤字額が大きくなっている。紀勢線 新宮~白浜間(32.2億円)、関西線 亀山~加茂間(18.4億円)と続いている。

 一方、収支率が最も低いのが、芸備線 東城~備後落合間。100円の運賃収入を得るために9945円の費用が必要。同区間は1日3往復(週末は臨時列車で1日4往復)。東城駅(庄原市東城町)からは、中国自動車道の開通以降、地域の中心である庄原市街や広島市内に高速バスでより短時間で移動可能となり、本来の鉄道の役割が失われている。

東城

広島県北東部の東城は中国山地の交通の要衝として、古くから栄えた街。街の外れに中国道のインターチェンジがあり、駅前から出ている高速バスで庄原や広島の中心部に移動できる

 収支率では、姫新線 中国勝山~新見間(100円を得るのに4510円)、木次線 出雲横田~備後落合間(同3725円)、芸備線 備後落合~備後庄原間(同2903円)、備後線 備中神代~東城間(同2692円)、山陰線 益田~長門市間(同2227円)、大糸線 南小谷~糸魚川間(同2132円)、福塩線 府中~塩町間(同2117円)、因美線 東津山~智頭間(同2054円)と続いている。

JR

木次線や山陰線など、観光資源として価値が高い路線も厳しい状況に置かれている

 

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