「推しに会うために、仕事頑張ってるんですよ〜」なんてフレーズ、よく耳にしないだろうか?
マイナビが20〜59歳の正社員2万人を対象に実施した「推し活と仕事」に関する調査によると、20代正社員のおよそ2人に1人が“推し活”をしていることが分かった。
“推し活”とは、有名人やアニメキャラクター、スポーツ選手、鉄道など、応援対象にお金を使う消費活動を意味する。この推し活、もはや働く世代のメジャーな文化になりつつあるようだ。
推し活に使う平均金額は? 30代が最多の1万4692円
調査によると、「推し活をしている」と回答した正社員は全体の28.5%。年代別では20代が49.2%と突出して高く、30代でも3人に1人以上が推し活を楽しんでいることになる。
調査では、推し活に使う月平均金額についても調べている。30代が1万4692円で最多。20代(1万4026円)、40代(1万3093円)、50代(1万2540円)と続き、1万円以上の消費が一般的な様子だ。
「推し」の対象、すべての年代で「アイドル」が圧倒的多数
では、推しの“対象”についてはどうだろう?
30代、40代ではスポーツ選手、30代ではYouTuberも一定の存在感を見せた。内容としては、ライブやグッズ購入など、リアルとデジタルが入り混じる活動スタイルが主流になっている。
7割が「人生において重要」と回答
推し活に関する考えについての設問では、推し活をしている人の7割以上(74.1%)が「推し活は人生において重要」と回答している。
「推し活をすることで私生活が充実した」(79.4%)、「推し活のために仕事を頑張っている」(61.7%)といった回答も多く、推し活は、日常生活や仕事にもモチベーションにも影響していると言えるだろう。
なお、推し活をしている人としていない人で「仕事と私生活の充実度」を比べてみると、推し活をしている人はしていない人に比べて「どちらも充実している」と答える割合が5ポイント以上高かった。
「推しがいる」ことは、生活や仕事への活力になるだけでなく、満足度を底上げしてくれる傾向があると読み取れるだろう。
「私生活の充実」が企業選びの新たな基準に
同調査では、企業選びの基準についても調べている。
結果を見ると、正社員の6割以上が、「私生活の充実につながる時間や収入」が重要だと回答。特に「推し活をしている人」の回答では、「私生活の時間が確保しやすいか」「私生活が充実する収入額か」といった項目のスコアが10ポイント前後高かった。
推し活をしている人にとって、“推し活に時間とお金を使えるかどうか”は、「企業選びの判断材料」になっている面があるようだ。
同調査を担当したマイナビキャリアリサーチラボの朝比奈あかり研究員は、次のようにコメントしている。
「推し活のために仕事を頑張っているという回答も6割を超えていたことから、推し活は仕事へのモチベーションにもつながっていると考えられ、企業を選ぶうえでも、私生活が充実できそうかどうかという観点は少なからず重要である可能性がみられました。企業は今後も、人材獲得・定着のために、さらに多様な制度の導入を検討されると思います」(抜粋)
いい人材を迎える“カギ”のひとつは、従業員に「推し活ができる経済的・時間的“余裕”を持ってもらうこと」かも?













