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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第129回

動画生成AI「Sora 2」強力機能、無料アプリで再現してみた

2025年10月27日 07時00分更新

文● 新清士

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AIサービスも「Storyboard」機能を発表

 10月23日、AIサービスHiggsfiled AIは「Higgsfield Popcorn」という新機能を発表しました。これは静止画で参照画像とプロンプトで簡単なストーリーを指定すると、それに合わせて画像を生成してくれるというものです。仕組み的には、AI Storyboard Generatorとほぼ同じではないかと推測しています。入力されたプロンプトと指定枚数に応じて、LLMが全体のストーリーを考え、画像を生成する仕組みになっていると思われます。

 何の画像AIが使われているかは明らかにされていませんが、筆者の印象では、生成結果はNano BananaでもSeedream 4.0でもないようで、若干最新版より劣る印象もあります。ただ、一貫性の精度は高く、気軽に作成できるという意味では使いやすいものです。現在は1日40枚までは無料ユーザーでも生成できるため、コストが低めに生成できる環境を構築しているのでしょう。有料のAI動画を利用するように誘導する役割を持つものでしょう。

「Higgsfield Popcorn」で、明日来子さんが、焼き鳥を買うというプロンプトを指定して生成された画像

“ストーリー生成”可能性を探ってみては

 Sora 2が登場して約1ヵ月。最大の強みであるストーリー生成の秘密は段々と理解されつつあり、他社もサービスに組み込みつつある段階に入ってきています。このような機能は、筆者のような非プログラマーでさえ思いつき、作れてしまうものなので、今後、基本機能は多くの画像・動画AIサービスで標準になっていくと考えられます。

 もちろん、技術的な壁として「音」がありますが、この分野も、急激にキャッチアップが進んでくるのではと予想します。

 画像も動画も、単に指定されたものを作るだけではなく、入力情報からマルチモーダル化するAIを使い、全体のストーリーを考えて、それを出力していくのが当たり前になろうとしています。近く、個人が作るAI動画でも見ごたえのあるドラマが一般化するのは、ほぼ間違いないでしょう。ぜひ、筆者のツールも試して、その可能性を探ってみてください。

 

■関連サイト

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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