活動第一弾として、“業界の定義書”である「デジタルテスト白書」を公開
民間検定から国家資格まで“いつでもどこでも”試験が受けられる国に 「デジタルテスト推進協会」が始動
2025年10月27日 08時00分更新
文部科学省とデジタル庁も協働するデジタル化
同セミナーには、来賓として文部科学省の大臣官房 審議官である橋爪淳氏と、デジタル庁の国民向けサービスグループ 審議官である上仮屋尚氏が登壇。文部科学省とデジタル庁も、デジタル化に注力している中であり、共に協調して社会を変革すべくエールを送った。
文部科学省では、全国の小学6年生・中学3年生を対象に実施する「全国学力・学習状況調査」のCBT化を進めている。CBTにより、児童生徒の学力・学習状況を把握することで、きめ細かい指導・支援につながることを期待しているという。2023年度より一部の地域で開始しており、2025年度には中学生向けの理科で導入。2027年度には全面的にCBT化される予定だ。
このCBTの基盤となっているのが、文部科学省が開発・運用する「MEXCBT」だ。児童生徒が、学校だけではなく家庭でも学習できるようにするためのシステムであり、現在、公立小学校の9割超、公立中学校のほぼすべてが登録しているという。
文部科学省の橋爪氏は、「MEXCBTは、場所や時間の制約を超える、ビッグデータを蓄積・分析する、運用の負担を軽減するなど、様々な可能性を秘めている。一方で、こうしたシステムが定着するためには、信頼性や安全性が大前提となり、まだまだ課題は多い。協会がこの可能性を提案して、課題を解決することを期待している」と述べた。
一方のデジタル庁では、国家資格領域での手続きにおいて、オンライン・デジタル化を進めている。2024年8月より、マイナンバーカードを活用したオンライン申請や資格者証のデジタル化を順次開始。現在は、介護福祉士や税理士など8資格において対応し、2025年内には2資格、2025年度内には行政書士や司法試験など11資格を追加する予定だ。
デジタル庁の上仮屋氏は、「試験や講習をデジタル化して、安全・効率的な社会をつくるという協会の目的は、デジタル庁が進める、国家資格のオンライン・デジタル化、ひいては、社会全体を安全、効率的するというデジタル庁の目的と、方向性をひとつにするもの」と語る。
さらには、資格管理におけるマイナンバーカードの有用性についても触れ、「国あるいはデジタル庁の方向性、あるいは提供するプロダクト、サービスを注視・検討してもらうと共に、意見や提言もいただきたい」と語った。
理事長である佐藤氏は、今後のデジタル化の展望について、「デジタル化されているのは約2割と試算していたが、コロナ禍やデジタル庁の方針により、恐らく早い段階で4割ほどには引き上げられる。ただし、紙やアナログな方式が適した領域も当然あり、(最終的には)6割ぐらいがデジタル化されていくのではないか」と語った。












