5万円の違いを徹底比較&実機でテストしてみました!!
本日発売!! 2モデルを徹底テストしたら段違いだった!!=ASUS+マイクロソフトのポータブルゲーミングPC「ROG Xbox Ally X」&「Ally」実機レビュー
2025年10月16日 00時01分更新
ASUSはポータブルゲーミングPCの第3世代モデル「ROG Xbox Ally X」、「ROG Xbox Ally」を9月26日に発表、10月16日に発売する。
価格は上位モデル「ROG Xbox Ally X」が13万9800円、下位モデルの「ROG Xbox Ally」が8万9800円だ。
両機種ともに「Xbox」の名前が付いていて、マイクロソフトとの協業により、新たに「Xbox UI」を採用しグリップ部にXboxコントローラーのデザインを導入した。
さらに、最新のAMD製ゲーミングモバイルPC向けプロセッサーを採用することにより、パフォーマンスの向上を実現している。
今回ASUSより両製品の試用機を借りたので、両製品の詳細スペック、デザイン、そして気になるパフォーマンスについてレビューをお届けしよう。
2モデルの違いはCPUだけではない
メモリーにSSD、インターフェースやバッテリーも
「ROG Xbox Ally X」と「ROG Xbox Ally」は、細かく差別化が図られている。大きく異なるのはプロセッサー、メモリー、ストレージだ。
「ROG Xbox Ally X」はプロセッサーに「AMD Ryzen AI Z2 Extreme」(8コア、16スレッド、最大5GHz、15~35W)を採用、24GBメモリー(LPDDR5X-8000)、1TBストレージを搭載している。
一方、「ROG Xbox Ally」はプロセッサーに「AMD Ryzen Z2 A」(4コア、8スレッド、最大3.8GHz、6~20W)を採用、16GBメモリー(LPDDR5X-6400)、512GBストレージを積んでいる。
ディスプレーは同一で、7型フルHD IPS液晶パネルで1920×1080ドット、120Hz、7ms、10~500ニト、1000:1、Gorilla Glass DXC、Gorilla Glass Victus、タッチ対応、グレアを装備。1.5W×2のステレオスピーカー、アレイマイクというサウンド機能も同じ。ウェブカメラは非搭載だ。
Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4というワイヤレス通信機能は共通だが、インターフェース構成は異なる。「ROG Xbox Ally X」はUSB4とUSB3.2 Gen2 Type-Cを持つが、「ROG Xbox Ally」はUSB3.2 Gen2 Type-C×2を装備(すべてデータ転送、映像出力、本体への給電に対応)。つまり「ROG Xbox Ally X」はUSB4により、最大40Gbpsの高速データ通信機能(USB3.2 Gen2は最大10Gbps)を利用できるわけだ。
本体サイズは290×121×27.5~50.9mmで同じだが、重量は「ROG Xbox Ally X」が約715g、「ROG Xbox Ally」が約670gとなっている。この差は主にバッテリー容量が異なっているためで、「ROG Xbox Ally X」は80Whバッテリーを搭載して駆動時間は約13.9時間(動画再生)/約22.3時間(アイドル時)、「ROG Xbox Ally」は60Whを搭載して駆動時間は約10.4時間(動画再生)/約19.2時間(アイドル時)と謳われている。
「ROG Bulwark Dock (2025) DG300」(価格2万3980円)は、USB3.2 Gen2 Type-A×3、有線LAN(1000BASE-T)、HDMI2.1、USB3.2 Gen2 Type-C(ダウンストリームポート)、USB3.2 Gen2 Type-C(アップストリームポート)、3.5mmコンボジャックを増設可能だ
ベンチマークテストで2モデルを比較
プロセッサーの性能は大きく異なり
ストレージ速度にも違いが!!
前述のとおり、「ROG Xbox Ally X」はプロセッサーに「AMD Ryzen AI Z2 Extreme」(8コア、16スレッド、最大5GHz、15~35W)、「ROG Xbox Ally」は「AMD Ryzen Z2 A」(4コア、8スレッド、最大3.8GHz、6~20W)を採用している。
「AMD Ryzen AI Z2 Extreme」と「AMD Ryzen Z2 A」はコア数、スレッド数、最大クロック周波数、TDPなどが異なるが、プロセッサーアーキテクチャー、グラフィックスアーキテクチャーも違っており、NPU「Ryzen AI」が搭載されるのも「AMD Ryzen AI Z2 Extreme」だけだ。両者にどのぐらいの違いがあるのか、ベンチマークでチェックしていこう。
「AMD Ryzen AI Z2 Extreme」
8コア、16スレッド、最大5GHz、15~35W
CPUコア:Zen 5×3、Zen 5Cc×5
GPUコア:RDNA 3.5
NPU:AMD Ryzen AI(最大50TOPS)
「AMD Ryzen Z2 A」
4コア、8スレッド、最大3.8GHz、6~20W
CPUコア:Zen 2
GPUコア:RDNA 2
NPU:非搭載
まずCPU性能については、「ROG Xbox Ally X」が「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)で13999pts、CPU(Single Core)で1963pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)で778pts、CPU(Single Core)で113ptsだった。
「ROG Xbox Ally」では「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)で4536pts、CPU(Single Core)で1028pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)で281pts、CPU(Single Core)で62ptsとなった。
プロセッサーアーキテクチャーと、コア数・スレッド数が異なっているだけに、「ROG Xbox Ally X」は「ROG Xbox Ally」に対して、マルチコア性能で最大309%相当、シングルコア性能でも最大191%相当のスコアを記録している。
ゲーム以外のクリエイティブ用途なども重視するなら、選ぶべきは間違いなく「ROG Xbox Ally X」だ。
「ROG Xbox Ally X」(左)の「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13999pts、CPU(Single Core)は1963pts、「ROG Xbox Ally」(右)の「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は4536pts、CPU(Single Core)は1028pts
「ROG Xbox Ally X」(左)の「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は778pts、CPU(Single Core)は113pts、「ROG Xbox Ally」(右)の「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は281pts、CPU(Single Core)は62pts
「3DMark」はなぜか「ROG Xbox Ally」で動作しなかったため、「ROG Xbox Ally X」のスコアのみを掲載するが、「3DMark」のPort Royalで1971、Time Spyで4009、Fire Strikeで9147、Wild Lifeで24013を記録した。
一方、3Dゲームベンチマークの結果は、「ROG Xbox Ally X」は「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアで8792(快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアで4811(やや快適)を記録。
「ROG Xbox Ally」は「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアで6957(快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは2743(やや重い)を記録した。
CPU性能に大きな差があったが、3Dゲームではその差が縮まっている。とは言え、より負荷の高いFINAL FANTASY XVで、「ROG Xbox Ally X」は「ROG Xbox Ally」に対して、175%相当のスコアを叩き出している。リッチな3Dゲームを存分に楽しみたいのであれば、上位モデルを選ぶにこしたことはない。
「ROG Xbox Ally X」(左)の「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」のスコアは4811(やや快適)、「ROG Xbox Ally」(右)のスコアは2743(やや重い)
SSDの速度は意外な結果に
バッテリーには容量差を超える違いが!!
意外な差があったのがストレージ速度だ。容量も倍異なっているが、「ROG Xbox Ally X」は「ROG Xbox Ally」に対して、「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリードで154%相当、シーケンシャルライトで139%相当の速度を記録している。ロードがひんぱんに発生するゲームでは、その恩恵を受けられるはずだ。
「ROG Xbox Ally X」(左)はPCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVMA1T0HCLD-00BTW」を搭載、「ROG Xbox Ally」(右)はPCIe Gen4 x4接続SSD「FORESEE FSB0C512G-B7C0700」を搭載。
「ROG Xbox Ally X」(左)の「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は5007MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4207MB/s、「ROG Xbox Ally」(右)は3253MB/sと3028MB/sだった。
最後に注目したいのがバッテリー駆動時間。80Whバッテリーの「ROG Xbox Ally X」は、60Wh搭載の「ROG Xbox Ally」に対して、PCMark 10のModern Office Battery Testで170%相当、Gaming Battery Lifeで127%相当の駆動時間を達成した。
ゲームプレイでは2時間台ということに変わりはないが、一般的な作業においては、「ROG Xbox Ally X」は外出先で充電する必要がないだけのスタミナ性能を備えているわけだ。
「ROG Xbox Ally X」(上)の「PCMark 10」のGaming Battery Lifeは2時間49分、Modern Office Battery Testは17時間8分、「ROG Xbox Ally」(下)では2時間13分と10時間4分だった。
「ROG Xbox Ally X」は「ROG Xbox Ally」に対して、PCMark 10のModern Office Battery Testで170%相当、Gaming Battery Lifeで127%相当のスコアを記録
5万円の価格差はあるが
「ROG Xbox Ally X」を買いたい
なにを購入するにしても、できれば出費は抑えたいところだ。しかし、「ROG Xbox Ally」は8万9800円、「ROG Xbox Ally X」は13万9800円と5万円の価格差ながら、CPU、メモリー、SSD、インターフェース、バッテリーが異なっており、ベンチマークでも大きな差があることを確認した。
SSDは換装できるが、CPU、メモリー、インターフェースはユーザーがアップグレードできない。もしかしたらバッテリーは載せ替えられる可能性はあるが、入手は難しいだろうし、当然保証は切れてしまうはずだ。
安易に上位モデルを勧めたくはないが、体感的にも違いがあったので、購入タイミングを遅らせたとしても上位モデルの「ROG Xbox Ally X」を購入することを強くお勧めしたい。













































