グーグルは10月8日、AIを活用した新しいショッピング機能「バーチャルでお試し(Try On)」を日本国内で提供開始したと発表した。オンラインで服や靴を購入する際に「自分に似合うかどうかわからない」という長年の課題を解決する機能だ。手持ちの全身写真1枚をアップロードするとAIが着用した画像を生成し、気になる商品をバーチャル上で試着できる。この機能は本日より数週間かけて順次利用可能になる。
手持ちの全身写真1枚で、気になる服の着こなしをリアルに再現
本機能の使い方はシンプルだ。Google検索やGoogleショッピング、Google画像検索などで気になるアパレル商品を見つけたら、「試してみる」アイコンをタップする。続いて自身の全身写真をアップロードするとAIが数秒でその商品を着用した画像を生成し、自身が着こなした際のイメージを確認できる。
試着した商品は、さまざまな色やスタイルで好きなだけ試せるほか、気に入ったものを保存して友人と共有したり、販売者のウェブサイトへ直接移動して購入したりすることも可能だ。
リアルな試着体験の裏側には、ファッションに特化して開発されたグーグル独自のカスタムAIモデルが存在する。
このAIは、人体の構造はもちろん素材が体のラインに沿ってどのようにドレープを描き、伸び、重なるかといった衣服の細かなニュアンスまで深く理解している。これにより、単なる画像の切り貼りではなく、あたかもその場で試着したかのような自然な着用イメージを生成することに成功した。
気になるアパレル商品を見つけたら「試してみる」アイコンをタップ。自身の全身写真をアップロードするとAIが数秒でその商品を着用した画像を生成し、自身が着こなした際のイメージを確認できる。
提供 : Google
バーチャル試着の対象となるのは、トップス、ボトムス、ワンピースといった衣服に加え、新たに靴も追加された。これからの季節に向けて、スニーカーやヒール、ローファーなどを購入前に自分の足元で確認できるため、オンラインでの靴選びの失敗も減らせそうだ。
この機能は、ユーザーが実店舗で試着するように、オンラインでも自信を持って商品を選べるようにすることを目指している。先行導入された米国では、利用者の70%が「ショッピングが楽しくなった」と回答するなど、新しい購買体験として既に高い評価を得ているという。店舗側は追加の手数料や詳細な寸法情報の提供なしでこの機能を利用でき、より多くのユーザーに商品をアピールする機会を得ることができる。
なお、本機能で生成される画像は、着用イメージを掴むためのおおよその目安であり、個人の体型や商品の詳細を正確に反映するものではなく、実際のフィット感を保証するものではない。そのためグーグルは、商品ページのサイズ表や購入者レビューなどを必ず参照し、最適なサイズを選択するよう推奨している。








