Windows 10サポート終了特集:必ず知っておきたい重要情報まとめ 第3回
リスクを抑える手段はあるが、危険はゼロにできない
Windows 10サポート終了は間近。「どうしても使い続けなければならない企業」はどうする?
2025年09月25日 08時00分更新
飛び道具的対策:Windows 10環境のサンドボックス化
最後は少々変わった発想。「仮想化」という手段です。
具体的には、社内に「専用のWindows 10端末」を残しておき、必要に応じて従業員がリモート接続して使用。Windows 10をインストールした端末は「隔離された作業環境」として扱います。Windows 10端末は、ネットワークを制御して外部インターネットとの接続を遮断し、他のサーバーや基幹システムからも切り離して運用します。
こうすることで、仮にセキュリティー上の問題が発生しても被害範囲を最小限に抑えられる可能性が高くなります。簡単に言えば、Windows 10専用端末をサンドボックス化して運用するということですね。
ただし、専用端末の維持コストやリモート接続環境の整備、ライセンス管理など、運用面には新たな課題が生まれてしまいます。また、「Azure Virtual Desktop」「VMware Horizon」など、リモート接続を実現するためのソリューション側がいずれWindows 10に対応しなくなる可能性も、想定しておく必要があります。
コスト:ソリューションに応じて
メリット:脆弱性に不安がある環境を、インターネットから切り離して運用できる
リスク:導入や運用には知識とコストが必要。結局は「古い端末が感染源」になる恐れは残る
結論:新しいOSへ切り替えるのが基本
はじめに書いた通り、ここで紹介した手段はいずれも、「Windows 10をどうしても延命しなければならない状況」におちいった場合の「猶予措置」「応急処置」に過ぎず、安全が補償されるわけではありません。
サポートが終了したOSは、セキュリティーホールを突かれるリスクが急速に高まるだけでなく、やがては業務用アプリケーションや周辺機器に対応しなくなります。深刻な問題を引き起こすことも、現実的なリスクとして考えられます。
結論として、私たちはWindows 10を使い続けることを推奨しません。あくまでも最終的なゴールは新環境への移行です。どうしてもWindows 10を使い続けざるを得ない場合、最低限、ここで紹介したような“リスクを最小化する対策”を講じることは不可欠ですが、それでも安全というわけではありません。リスクを完全に理解した上で、「Windows 11移行が難しいシステムやその一部を、暫定的に支えるため」と割り切ることが肝要でしょう。

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