このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

QNAP NASの豊富な機能で“PC/スマホ/SaaSバックアップ”“生成AIのRAG検索”も

Windows 10 サポート終了! この機会に考えたい「データのバックアップ&活用」

2025年09月24日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: QNAP(販売代理店:ユニスター)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

NASのバックアップ:クラウドバックアップも簡単にできる

 ここまでは「さまざまなデータをNASにバックアップする方法」について見てきた。だが、NAS本体が災害などで破損したり、盗難にあったりして、NASにあるデータが失われてしまう可能性もゼロではない。そうしたリスクに備えるためにはどうすればよいのか。

 その答えは「NASのデータを、さらにほかの場所にバックアップする」ことだ。特に、災害対策(DR:Disaster Recovery)としてのNASバックアップを考えると、クラウドストレージにバックアップを保存するのが良いだろう。

 QNAP NASでは、「Hybrid Backup Sync 3(HBS3)」という無料のソフトをインストールすることで、クラウドストレージやほかのQNAP NASにデータを定期バックアップできる。バックアップ先のクラウドストレージとしては、AWS(Amazon S3)やMicrosoft Azureだけでなく、Googleドライブ、Microsoft OneDrive、Dropbox、Boxといった、一般にも普及しているサービスに幅広く対応している。

■詳しくは……(QNAP公式サイト)
Hybrid Backup Sync

HBS 3の設定画面。バックアップ先としてさまざまなクラウドストレージサービスが選択できる

保存データの活用:最新の生成AI「RAG検索」まで使える

 ここまでは、QNAP NASを活用することで、幅広い対象のデータを保護(バックアップ)できることを見てきた。ただし、いくらデータを確実に保護しても、それが活用されなければ“宝の持ち腐れ”である。保存したデータの価値を高めるためには、その活用を促進することも大切である。

 QNAP NASに会社/チーム内のデータを集約して、メンバー間で共有すれば、お互いのデータを活用するシーンが増える。ただし、そこに「どんなデータがあるのか」を知らなければ、活用は進みづらい。

 そこでおすすめできるのが、強力かつ高速なファイル検索アプリ「QSirch(キューサーチ)」である。

 QSirchは、QNAP NASに保存されたドキュメントファイル(Word、Excel、PowerPoint、PDF、テキストなど)の全文検索はもちろん、タグによる絞り込み検索、AIによる画像解析検索(被写体のモノ、色合い、画像内の文字、人物、撮影地などの条件で検索可能)にも対応している。ファイル名がわからない場合でも迅速に見つけられるので、自分が過去に作成した資料も、ほかのメンバーが作成した関連資料も有効活用できるはずだ。

QSirchで「海」の画像を検索。AIが被写体を認識してタグ付けをしている

 さらに、QSirchの最新バージョンでは、生成AIサービスと連携した「RAG検索機能」が追加されている(現在はベータ版)。これは生成AIが、あらかじめ指定したQNAP NASのフォルダにあるドキュメントファイルを参照しながら、質問への回答や内容の要約などを行う機能である。たとえば、契約書や規約文書といった複雑なドキュメントを読ませて要約させたり、複数の製品資料を読ませて比較のまとめを生成させたりと、幅広く使えるだろう。

■詳しくは……(QNAP公式サイト)
QSirch

生成AIサービスがNAS上のドキュメントを参照したうえで回答する「RAG検索」機能も

* * *

 今回取り上げた機能やアプリは、QNAP NASで提供されているもののごく一部だ。すべてを取り上げることはできないが、どれも使いやすく設計/開発されており、初心者でもあまり迷うことなく使いこなせるのは大きなメリットだ。

 またエントリーからハイエンドまで、用途と予算に応じて豊富なラインアップがあることも、QNAP NASの魅力だろう。一部のアプリは利用できるモデル(搭載CPU、メモリ容量)に制限があるので、その点は購入前にご確認いただきたい。今回テストで利用したミッドレンジモデル「TS-464」(メモリ8GB)では、いずれも問題なく動作した。

 また、最後に取り上げたQSirchの生成AI/RAG機能のように、ソフトウェアのバージョンアップで新しい機能が追加されることもある。まずは基礎となる「データ保護」と「データ共有」の部分をしっかりと固めたうえで、そこから段階的に利用の幅を広げていくのが良さそうだ。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所