松本典子の「はじめよう！Azure Logic Apps／Power Automateでノーコード／ローコード」 第53回

Excel上の書式設定もそのまま読み込める、Excel×Power Automate連携の小ネタ

Excelの画面上からPower Automateを実行！ “自動化の入り口”にしよう

3. フローを実行する

　では、実際に実行してみましょう。

　今回作成したフローは、クラウドフローからは起動できず、Excelの画面から起動するかたちになります。

作業の自動化

　まずは「1-2. Excelファイルの準備と保存」で作成したExcelファイルを開きます。今回は「選択した行」トリガーを使っていますので、クラウドフローで処理したい行（「案件名」から「詳細」までの範囲）を選択しておきます。

　Excelの上部メニューで「自動化」リボンを開き、Power Automateの「タスクの自動化」ボタンをクリックすると、右側にFlowウィンドウが開きます。初回実行時にはサインインが求められますので、Microsoftアカウントでサインインします。

　先ほど作成したクラウドフローが表示されますので、三角のアイコン（あるいは「…」メニュー）で実行すると、Power Automateのフローが実行されます。

　上図のような画面が表示されない場合は、ExcelがMicrosoftアカウントでサインインしているかどうかを確認してください。また前述したとおり、クラウドフローをPower Automateの「規定の環境」で作成していない場合は、Excelでクラウドフローが表示されないのでご注意ください。

4. 実行結果

　フローの実行結果を見てみましょう。Excelファイルで指定したメールアドレス宛に、Teams投稿やメールが届いているはずです。

Teamsの結果

　Teamsに投稿されたメッセージです。Excelファイルの書式設定のまま投稿されています。また、指定したメールアドレスのユーザー宛にメンションが付いていることも確認できました。

Outlookの結果

　同様に、メールもExcelファイルの書式設定のまま送信されています。

最後に

　今回は、ExcelとPower Automateのちょっとした小ネタをご紹介しました。

　利用できる場面は限られるかもしれませんが、Excelとクラウドフローを組み合わせるうえで、日付や金額の書式をそのまま生かせるのは、ちょっとした通知や報告のメッセージで大変役立つと思います。

　また、作業中のExcelからクラウドフローを起動（トリガー）して自動処理を実行するというテクニックも、覚えておくとExcelとの組み合わせで便利に活用できると思います。ぜひ活用してみてください！

参考

■Excelでフローを使用する（Microsoft Learn）