松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第53回
Excel上の書式設定もそのまま読み込める、Excel×Power Automate連携の小ネタ
Excelの画面上からPower Automateを実行! “自動化の入り口”にしよう
2025年09月10日 11時00分更新
2-2. アクションの設定:行の取得
続いてアクションを設定します。
まず、Excelファイルに書かれた「メールアドレス」列をクラウドフロー内で利用するので、「Excel Online(Business)」コネクタの「行の取得」アクションを追加します。
このアクションは、次のように設定します。上図では英語表記になっていますが、日本語表記でも設定内容は変わりません。
(1)場所:「OneDrive for Business」を選択
(2)ドキュメントライブラリ:「OneDrive」を選択
(3)ファイル:「1-2. Excelファイルの準備と保存」で作成したファイルを指定
(4)テーブル:「テーブル1」を選択
(5)キー列:「メールアドレス」を選択
(6)キー値:「選択した行」トリガーの動的なコンテンツ「メールアドレス(Formatted)」を選択
2-3. アクションの設定:メールの送信(V2)
次に、メールを送信するアクションを追加します。検索窓に「Outlook」と入力し、「Outlook」コネクタのアクション一覧から「メールの送信(V2)」をクリックします。
このアクションは、次のように設定します。
(1)宛先:「行の取得」アクションの動的なコンテンツ「メールアドレス」を選択
(2)件名:「行の取得」アクションの動的なコンテンツ「案件名」を選択
(3)本文:「選択した行」トリガーと「行の取得」アクションの動的なコンテンツを組み合わせて入力
さてここで、動的なコンテンツのリストを見ると、名前に「(Formatted)」が付いているものと、付いていないものがあることに気付くと思います。
Formattedとは「書式付き」という意味です。つまり、(Formatted)が付いた動的なコンテンツは「Excelファイル上の書式設定が反映された」文字列となります。
たとえば、Excelのセルに「2025/09/15」と入力し、書式設定を今回の日付形式にした場合は、以下のようになります。
・「Formatted」ありの出力 … 2025年9月15日
・「Formatted」なしの出力 … 45915(日付のシリアル値)
メールやTeams投稿の文面に使うなど、表示形式を優先する場合は「(Formatted)付き」、日付を使った計算や条件分岐が優先の場合は「(Formatted)なし」を選択するという使い分けができます。
2-4. アクションの設定:ユーザーの @mention トークンを取得する
続いて、Teams投稿のためのアクションを追加していきます。
今回は、メール送信のアクションと並行して実行させます。まず、「メールの送信(V2)」アクションの上にある矢印(↓)をマウスオーバーすると表示される、「+」ボタンをクリックし、「並列分岐の追加」を選択します。これで、フローの流れが2つに分岐されます。
新たに分岐したほうにアクションを追加します。検索窓に「Teams」と入力し、「Microsoft Teams」コネクタのアクション一覧から「ユーザーの @mention トークンを取得する」アクションをクリックします。
「ユーザー」の入力欄には、「行の取得」アクションの動的なコンテンツ「メールアドレス」を入力します。このアクションの出力結果を、Teams投稿内でユーザーへのメンションに利用します。
2-5. アクションの設定:チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する
「ユーザーの @mention トークンを取得する」アクションの下に、Teamsへの投稿アクションを追加します。
検索窓に「Teams」と入力し、「Microsoft Teams」コネクタのアクション一覧から「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」アクションをクリックします。
このアクションは、次のように設定します。
(1)投稿者:「フローボット」を選択
(2)投稿先:投稿したいチャネル名を選択(今回は「チャネル」)
(3)チーム:投稿したいチーム名を選択(今回は「検証用」)
(4)チャネル:投稿したいチャネル名を選択(今回は「一般」)
(5)メッセージ:メッセージの先頭に「ユーザーの @mention トークンを取得する」アクションの動的なコンテンツを入れることで、指定ユーザーにメンション。
残りの部分は「メールの送信(V2)」アクションの本文と同じように、「選択した行」トリガーと「行の取得」アクションの動的なコンテンツを組み合わせて入力
以上でワークフローが完成しました。ワークフローに名前を付け、最後に必ず「保存」をして、フローの作成は完了です。

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