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Geminiに「一時チャット」登場! 履歴を残さずAIと話せるプライバシー重視の新設定

2025年08月14日 10時50分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 グーグルは8月13日(現地時間)、AIアシスタント「Gemini」アプリのアップデートを発表した。過去の会話内容を記憶してユーザーの好みや文脈を学習するパーソナライズ機能や履歴を残さない「一時チャット」機能などを追加し、よりユーザーに寄り添った体験を提供するとともに、データ管理の選択肢を拡充する。

過去の会話を記憶し、あなただけのパートナーへ

 今回のアップデートで最も注目すべきは、過去のチャット内容からユーザーの好みや重要な情報を学習する新設定だ。この設定をオンにすると、Geminiは共有された詳細や背景を記憶し、まるで事情をよく知る協力者のように、より自然で文脈に沿った応答を返すようになる。この機能はデフォルトでオンになっているが、設定からいつでもオフに切り替え可能だ。

 例えば、以前に好きな漫画のキャラクターについて語り合った場合、「私にぴったりの誕生日パーティーのテーマを考えて」と尋ねると、そのキャラクターをテーマにしたパーティーを提案してくれるかもしれない。ほかにも、日本の文化に焦点を当てたYouTubeチャンネルのアイデアを以前にブレインストーミングしていれば、「私の興味に基づいた新しいコンテンツのアイデアは?」と尋ねるだけで、日本の伝統工芸やゲームに挑戦する「初めてやってみた」シリーズのような、関連性の高い動画テーマを提案してくれる。

 一方で、会話履歴を残さずにAIと対話したい場面もあるだろう。個人的な悩みの相談や、普段の自分のスタイルとは異なる突飛なアイデアのブレインストーミングなどに向け、新たに「一時チャット(Temporary Chat)」機能が導入される。この機能を使った会話は、最近のチャット履歴やGeminiアクティビティーには表示されず、GeminiのパーソナライズやAIモデルのトレーニングにも使用されない。データは最長72時間保持されるが、これは応答やフィードバック処理のためだという。

 データ管理に関する設定も更新される。従来の「Geminiアプリのアクティビティ」設定は「アクティビティを保持」に名称が変更される。この設定がオンの場合、ユーザーがアップロードしたファイルや写真の一部が、グーグルのサービス向上のために使用されることがある。この設定はいつでもオフにでき、オフにしたい場合は一時チャット機能の利用も推奨されている。また、マイクや「Gemini Live」を通じて共有された音声や動画をサービス向上に利用するかどうかも選択でき、この設定はデフォルトでオフになっている。

 これらの新機能は発表日より順次展開される。特にパーソナライズ機能は、まずGemini 2.5 Proモデルを対象に、英語が利用できる一部の国から提供が開始される。今後数週間で、この機能をGemini 2.5 Flashモデルへも展開し対象国も順次拡大していく計画だという。

 グーグルは、透明性と管理機能の提供を通じてユーザーとの信頼を築くことが重要であるとし、プライバシーハブでデータ管理に関する詳細な情報を提供している。

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