116型のテレビを開発、2025年度中の商品化を目指す
TVS REGZAは6月19日、「新世代ビッグサイズレグザ」として、シリーズ最大サイズ116型の「RGB Mini LED液晶レグザ」の開発を発表した。新開発のRGB独立発光式ミニLEDバックライトを採用。2025年度中の商品化を目指すという。
RGB独立発光式ミニLEDバックライトとは、光の三原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色が独立して発光するMini LEDバックライトのこと。現在市場に流通しているテレビは、青色のLEDのみが使用されており、その光にフィルターや量子ドットシートなどを通して白を再現している。ちなみに白とはRGBの各色が最大で発光した状態である。
一方、RGBミニLEDバックライトは、RGBの各LEDが独立して発光する仕組みとなり、色再現範囲が従来よりも広くなる。結果、これまでにない自然で色あざやかな高画質が実現できるという触れ込みだ。RGB各色を独立制御できるというのは、映像に合わせてバックライトの色を最適に制御できるということでもある。「RGB独立LEDエリアコントロール」によってバックライトも色付きとなり、自然な色再現が可能だ。
映像エンジンは「レグザエンジンZRα」を活用。AI(ディープニューラルネットワーク)を用いて映像解析し、パネルの色表現力を最大化。赤色・緑色・青色のLEDを適切に制御して、余分な色の光を抑制し、画面の隅々まで美しく自然な色を表現できるとしている。色再現範囲の拡大に伴い、色制御の階調数はトータル108bitにまで向上するという。
加えて、2025年春夏のテレビフルラインナップも発表。同日に実施された発表会には、新CMに出演するレグザグローバルブランドアンバサダーの目黒蓮さんも登壇した。新発売のレグザでは生成AI対応が前面に押し出されている。目黒さんはレグザの新機能「レグザインテリジェンス」の化身として登場し、生成AIを活用したコンテンツ検索システム/新しい視聴体験を表現することになる。
なお、レグザのテレビは今夏に予定されているアップデートで、「レグザAIボイスナビゲーター」に対応する予定。これは、対話形式でおすすめ番組を検索したり、質問ができる機能だ。以下、2025年春夏モデルとして発表された新機種について紹介する。
液晶テレビの準フラッグシップZ8、タイムシフトマシンを広く展開
Z8シリーズは、新開発の高輝度ミニLED液晶パネルを採用した4Kテレビ。Z870Nシリーズの後継で従来比約1.2倍の高輝度化、約1.5倍のエリア分割数を実現。フラッグシップモデルのZ9シリーズに続く上位モデルとなる。「Z875」と「Z870」の2ラインで展開。サイズはZ875が55〜85型、Z870が43〜50型。全モデルがミニLED+広色域量子ドットを採用、レグザのミニLED液晶モデルとしては初の50型、43型もラインナップしている。
発売時期と予想実売価格は下記の通りだ。
Z875Rシリーズ(7月4日発売)
・85型「85Z875R」66万円前後
・75型「75Z875R」50万6000円前後
・65型「65Z875R」38万5000円前後
・55型「55Z875R」30万8000円前後
Z870Rシリーズ
・50型「50Z870R」24万2000円前後/7月4日発売
・43型「43Z870R」23万1000円前後/7月18日発売
Z875Rは「レグザエンジンZRα」を採用。量子ドットと広視野角を実現するワイドアングルシートを採用。低反射コートとの組み合わせで液晶テレビであるとわからないほど引き締まった黒の再現が可能だ。Z870Rは「レグザエンジンZR」で、量子ドットとワイドアングルシートは非搭載となるほか、スピーカー出力がZ875Rよりも抑えられている。
全モデルが地デジ番組を最大6チャンネル録画できる「タイムシフトマシン」に対応している。小型モデルでの展開は久しぶりなので、歓迎するユーザーも多いだろう。チューナー数は地上デジタルがタイムシフトマシン用も含めて9つ、BS/110度CSデジタルが3つ、BS/CS4K放送が2つ。別売のUSB HDDを接続することで、地デジ/BS/CSの2番組同時録画と4K放送の裏番組録画ができる。HDMI入力は4系統。
生成AIを活用した「レグザインテリジェンス」に対応。音声を使った検索ができる「レグザAIボイスナビゲーター」や、AIで音声成分を認識し、環境音とのバランスを調整できる「レグザAI快適リスニング」などを利用できる。上述の通り、今夏に予定されているソフトウェアアップデートでは対話形式での表示やテレビの内蔵マイクを使ったハンズフリー操作にも対応する予定だ。
高画質化処理については、映像処理エンジンが持つ機能に準ずる。レグザエンジンZRαを採用するZ875Rシリーズでは、夜景、花火、星空などシーンに合った処理を加える「AIシーン高画質」にも対応している。ただし、認識/適用されるシーンについては上位機種よりも若干狭めている面もあるようだ。
「レグザ重低音立体音響システムZ」をうたったサウンドシステムはDolby Atmosに対応。2ウェイのメインスピーカーを2基、重低音バズーカ(ウーファー)を1基、天面のトップスピーカーを2基搭載した7スピーカーを70Wのマルチアンプで駆動する。なお、50型の50Z870Rは60Wのマルチアンプ、43型の43Z870Rは50Wのマルチアンプでトップツィーターとなるほか、スピーカーがフロントではなくボトムに向いたものとなるといった違いもある。
また、レグザ本体のスピーカーと、ヘッドホンの音を同時に再生できる「親切ヘッドフォン」機能も復活している。有線接続に加え、Bluetooth接続でも利用可能でそれぞれの音量も独立して調整できるとのことだ。
有機ELテレビのX8シリーズも明るさが増して高画質に
X8シリーズは、新開発の高効率有機ELモジュールを採用した4Kテレビ。X8900Nシリーズの後継で従来比約1.3倍の高輝度化、48型を除く各モデルがARコートを採用して外光の映り込みを約3割低減している。VRR 144Hzにも対応した。サイズは48〜77型。77型のモデルを展開しているのに注目だ。
X8900Rシリーズ(7月25日発売)
85型「85Z875R」66万円前後
77型「77X8900R」80万3000円前後
65型「65X8900R」46万2000円前後
55型「55X8900R」35万2000円前後
48型「48X8900R」28万6000円前後
映像エンジンは「レグザエンジンZRα」を採用し、「AI超解像」や「AIシーン高画質」に対応している。チューナー数は地上デジタルが3つ、BS/110度CSデジタルが3つ、BS/CS4K放送が2つ。HDMI入力は4系統。
「レグザ重低音立体音響システムX」をうたったサウンドシステムは画面サイズによってスピーカー数が異なるが、77型では9つのスピーカーを100Wマルチアンプで駆動、2ウェイのメインスピーカーと背面の重低音バズーカ(ウーファー)、天面の2ウェイトップスピーカーを使用する。65/55型はダウンファイヤリングの2ウェイスピーカーなど7つのスピーカーで出力は60W。48型はパッシブラジエーター搭載の2ウェイスピーカーとトップツイーターの8つで、アンプ出力は60W。
AI機能や「親切ヘッドフォン」機能などもZ8シリーズと同様に搭載している。
なお、TVS REGZAは6月20日より、総額最大16万円分のキャッシュバックキャンペーンを実施。キャンペーン対象のテレビとレーザープロジェクターを購入し、キャッシュバック応募登録後の抽選に参加して当選すると、最大合計15万円のキャッシュバックが受けられるというもの。さらにキャンペーン対象のレグザサウンドシステムを合わせて購入すると、最大1万円分のキャッシュバックが受けられる。詳細は下記のリリースなどを参照。

















