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佐々木主浩「衛星放送のおかげで、親や親戚に試合を見せられた」と熱烈感謝。「第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード」グランプリは『特集ドラマ「母の待つ里」』が受賞

2025年07月30日 11時00分更新

文● 原田 健

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「第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード」で『特集ドラマ「母の待つ里」』がグランプリを受賞

 7月23日に東京・よみうり大手町ホールで「第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード」授賞式が開催され、「ドラマ」「ドキュメンタリー」「文化・教養」「バラエティ」「中継」「ミニ番組」の番組部門6ジャンルの最優秀賞の中から選出される「グランプリ」に、NHK BSで放送された『特集ドラマ「母の待つ里」』が輝いた。

 同アワードは、衛星放送協会に加盟するCS・BS放送局のオリジナル番組の制作を促進し、受賞作品の紹介を通じて専門チャンネルの価値を高めていくことを目的に2011年に創設されたもの。今回は、2024年度にCS、BSで放送されたオリジナル番組の中から、作家や新聞社社員、弁護士、大学教授などの有識者で構成された最終審査員が、作品のオリジナリティーなどを基準に各部門の最優秀賞とグランプリを選出し、表彰を行なった。

『特集ドラマ「母の待つ里」』は浅田次郎の最新長編作を映像化した作品

グランプリ受賞は『特集ドラマ「母の待つ里」』

 グランプリに選ばれた『特集ドラマ「母の待つ里」』は、異色の家族小説として大反響を呼んだ浅田次郎の最新長編作を映像化したもので、都会で孤独に暮らす松永徹(中井貴一)、古賀夏生(松嶋菜々子)、室田精一(佐々木蔵之介)の3人の“子供”が、“母”藤原ちよ(宮本信子)の待つ里を訪ねるという、全4話から成る感動のミステリアス・ファンタジー。「番組部門 ドラマ」の最優秀賞を受賞。

 審査員長の吉岡忍(ノンフィクション作家)は「最初観ていると、“都会の暮らしに疲れた男や女が故郷に帰る”という非常におとなしい映像から始まるんですね。ところが、これがカード会社がサービスで提供している“レンタル田舎”みたいな話になってきて、『ノスタルジックな話かな』と思うと、現在の話になり、(未来の)先の話になるという、とんでもないところにいく作品なんです。ちょっと僕、原作にも、脚本にも、演じている方々にも、度肝を抜かれました」と講評した。

 受賞者の株式会社テレビマンユニオン・阿部修英氏は「浅田次郎さんの原作をいただいて、宮本信子さんをはじめ、中井貴一さん、松嶋菜々子さん、佐々木蔵之介さんというすばらしいキャストに出ていただいて、すばらしい皆さんと作品を作り上げることができました。すばらしい賞をいただいたので、これからも頑張ってやっていきたいと思います」と万感の思いを口にした。

原作者の浅田次郎は「演じていただいた人たちのご努力によって立派な作品に仕上がった」とコメント

 また、ゲストとして同作品に出演している宮本信子が登場。宮本は「とってもうれしいです!全てのキャストとスタッフの皆さんによってこの作品ができ、それがこんなすばらしい評価をされて…。褒められるのって、本当にうれしいんです!! 今日は最高です(笑)」とグランプリ受賞の喜びを爆発させた。さらに、中井貴一もVTRで喜びのコメントを寄せた。

 加えて、原作者の浅田次郎も登壇。浅田は「こういう時って、原作者っていうのは立場がよく分からない。私の原作がお褒めいただいたわけではなくて、私の原作を基に脚色し、演出し、演じていただいた人たちのご努力によって立派な作品に仕上がったというわけでありまして、私の物であって私の物ではない。それでも、私が書きました『母の待つ里』という小説が、このようなかたちで再現され、評価されたことは大変うれしく光栄に思っております」と述懐した。

3人の“母”を演じた宮本信子は「本当にうれしい」とグランプリ受賞の喜びを語った

コンテンツ展開部門最優秀賞『路上のルカ』主演のアイナ・ジ・エンドがVTRで祝辞

 授賞式では、番組部門6ジャンル、「番宣部門」「広告部門」「コンテンツ展開部門」の最優秀賞に加え、「審査員奨励賞」も表彰。「コンテンツ展開部門」で最優秀賞を受賞したドラマ『路上のルカ』の岩井俊二監督は、映画『キリエのうた』をドラマ版に再編集した同作について「元々は『路上のルカ』というタイトルで動いていたプロジェクトだったんですけど、映画版を仕上げた時に『微妙に違うかもしれないな』という気がして、急きょ『キリエのうた』というタイトルで出したんです。その後、このドラマ版を作るに当たって、『こっちはまさに“路上のルカ”だったな』と思って、このタイトルを使うことにしました」と作品にまつわる裏話を披露した。また、出演したアイナ・ジ・エンドがVTRで「本当にうれしいです。『路上のルカ』は私にとって宝物の作品です」と喜びのコメントを語った。

 同じく「番組部門 中継」で最優秀賞を受賞した『Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING ~LIVE & BACKSTAGE~』では、出演者の茅原実里が登場。茅原は「アーティストの皆さん、バンドの皆さん、スタッフの皆さん、アニマックスの皆さん、一人ひとりの思いが力になって本当にすばらしいステージになったと思っております」とライブを回顧。さらに、May‘nからのVTRコメントも公開された。

 ほか、「番組部門 バラエティ」で最優秀賞を受賞した『Spicy Sessions』からは、MCのゴスペラーズ・黒沢薫と乃木坂46・中西アルノがVTRで登場し受賞の喜びを語るなど、豪華なゲストが次々と登場し、授賞式を大いに盛り上げた。

『路上のルカ』で「コンテンツ展開部門」最優秀賞を受賞した岩井俊二監督

ゲストとして佐々木主浩とバッテリィズ・寺家が登場

 そして今回は、長年にわたってプロ野球の発展に力を尽くし、野球の魅力を世に伝え、広く日本社会に多大なる感動と勇気をもたらしたことと、1998年のスカイパーフェクTV!(当時)によるプロ野球12球団全ての主催試合放送サービス開始に伴い、衛星放送の普及と発展に大きく寄与したことから、一般社団法人日本野球機構が特別表彰され、元プロ野球選手の佐々木主浩と、スカパー!プロ野球アンバサダーを務めるお笑いコンビ・バッテリィズの寺家らがゲストとして参加。佐々木は「僕は宮城出身で、(1998年以前は)親が試合を見られるのって地上波しかなかったので、(地上波では野球中継は)9時24分くらいに終わるんですよ。僕の出番は大体9時過ぎなので、観られないことが多かった。でも、衛星放送ができたことで親も親戚も『やっと観られるようになった』となって、非常に助かりました」と衛星放送への感謝を述べて会場を沸かした。

 多彩なゲストがアワードを彩り、各受賞者の作品に対する熱い思いも感じることができた「第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード」授賞式。この模様は9月にスカパー!およびJ:COMにて無料放送される予定。

佐々木主浩とバッテリィズ・寺家の登場に会場は大きな盛り上がりをみせた

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