「オプティカルスクロールホイール」を初搭載、7g軽量化し省電力化も!

究極に進化した「最適解」、Razer「DeathAdder V4 Pro」は一度握ったら離れられない魔性のゲーミングマウス

文●Okano 編集●八尋/ASCII

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 ゲーミングマウスを選ぶ際に誰もが通る道といっても過言ではない「Razer DeathAdder」シリーズは、eスポーツの歴史と共に歩み、エルゴノミクスマウスの象徴として存在感を示し続けてきた。

 その伝説を“最新”にした「DeathAdder V4 Pro」は、Razerが「過去10年で最大の技術的飛躍」と謳う新作ゲーミングマウスだ。本レビューでは、実際に10日ほど使い込み、FPSゲーマーの視点から、どの程度前作から進化しているのか確認していく。

 結論から述べると、ハイエンドモデルの性能にこれ以上の進化があるのかと評される現代において、「DeathAdder V4 Pro」はその究極系にあると感じた。持ちやすさ、クリック感、ソール、機能性など、すべてにおいて「これが最適解」であるといえる。

DeathAdderらしい形状はそのままに

 Razerが下したもっとも重要な決断は、形状を前モデルDeathAdder V3 Proと同一に保ったことだ。これに尽きる。完成されたエルゴノミクスデザインは、かぶせ持ちやつかみ持ちのユーザーに、手の一部となるような一体感と長時間の快適性を提供する。

 筆者はつかみ持ちがメインで、腕全体を使ったエイムと手首の細かいエイムを使い分けている。ぶんぶんと振り回したり、ぎゅっと掴んで細かな調整をしたりと、さまざまな使い方をしていると、この手に吸着している感覚が気持ちよく、月並みな言葉だが、マウスが身体の一部になったような感覚に陥る。

 さらに、前モデルの63gから56g(ホワイトモデルは57g)へと、7gもの軽量化を実現した。この数値だけを見れば微々たる差に思えるかもしれないが、大きなフリック操作などでとくに恩恵を感じられる。それでいてたわみやきしみもないから驚きだ。しっかりとした剛性を感じる。

 また、底面には従来より大型化されたPTFE製のソールが配置された。前作と比較して大きく滑りやすくなったと感じる。

電力効率アップで電池持ちがよくなった

 V4 Proは、Razerの技術力を結集している点も特徴の1つだ。本機に初搭載された「Razer HyperSpeed Wireless 第2世代」は、従来比で電力効率は63%以上も向上し、レイテンシーは37%も低減したという。これは、ワイヤレスでありながら、パソコンとマウス間の情報伝達が、より高速かつ安定的に行なわれることを意味している。もちろん有線・無線両モードで最大8000Hzの超高速ポーリングレートに対応する。

 さらに、電力効率の向上は、最大150時間(1000Hz設定時)という驚異的なバッテリー駆動時間を実現した。前作の90時間から大幅に飛躍しており、つい充電を忘れてしまうずぼらなゲーマーにもピッタリだ。なお、8000Hz設定時でも最大17時間から最大22時間にパワーアップしている。

 なお後述の制御ソフト「Razer Synapse」では、フルスクリーンのゲームをプレイしているときだけのポーリングレートを設定できる。例えば普段は1000Hzで、ゲームプレイ中だけ8000Hzにするなどで、バッテリー持ちを長くすることができる。非常に便利だ。かゆいところに手が届く。

操作感を極める新スイッチとホイール

 クリックやサイドボタンにおいても、一切の妥協を許さない。搭載された「Razer オプティカルマウススイッチ 第4世代」は、物理的な接点を持たない光学式スイッチの利点をさらに進化させた。チャタリングのリスクを排除し、シャープで心地よいクリック感を実現している。

 eスポーツ向けに新設計された「オプティカルスクロールホイール」も見逃せない。明確な触感を持つこのホイールは、武器の切り替えやジャンプといった重要なアクションを、より正確かつ直感的に行うことを可能にする。従来のホイールにありがちだった「行き過ぎ」や「反応しない」といったストレスから解放され、プレイヤーは目の前の戦いにのみ集中できるのだ。

 例えば『VALORANT』ではホイールで武器切り替えをすることが定石ではないとされているが、この技術が一般的に普及し、ホイールの信頼度が今よりも向上することで、武器切り替えだけでなくさまざまな操作がホイールに割り当てられることが当たり前になるかもしれない。

久々のRazer Synapseに感動

 筆者個人としては、過去に前作のV3 Proを発売当初に購入したが、まもなく使うのをやめてしまった。というのも、制御ソフトのRazer Synapseが不安定だったり、頻繁にアップデートを促され、そのたびにウィンドウが強制的に切り替わりゲーム中に不快な思いをしたからだ。

 そういった経験もあり、ドキドキしながら久々にRazer Synapseをインストールしたが、刷新された最新のRazer Synapseは、すこぶる安定している印象を受けた。動作はスムーズかつ軽量で、アップデートも分かりやすくなっています。相性もあるかもしれないが、もう一度Razerのデバイスを使おうと思えるようなソフトウェアに生まれ変わっているのは印象深い。

 Razer Synapseでは、ボタンカスタマイズ、ポーリングレートやDPIの設定、DPIズレを調整する感度マッチャー、LOD設定、マウスパッドキャリブレーションなど、ハイエンドモデルとして十分な項目を軽量な動作で設定可能だ。

 また、特徴的なのが丸形のドングルだが、これに搭載されたLEDインジケーターでバッテリーレベルやDPIステージなどを確認することができる。

結論:究極に進化した「最適解」

 なお直接ユーザーには関係ないかもしれない余談だが、V4 Proの筐体には、67%以上ものバイオベースおよびポストコンシューマーリサイクルプラスチックが使用されており、エコフレンドリーな製品となっている。ゲーミングマウスの付加価値について考えさせられる。

 まとめると、DeathAdder V3 Proから進化したポイントは、センサーとスイッチの進化、「オプティカルスクロールホイール」の初搭載、7gの軽量化、バッテリー駆動時間の向上などであり、完成された形状はそのままに、中身をしっかり刷新してきた。この形状を気に入るユーザーは、このマウスを買っておけば間違いないと言えるほどの完成度だ。

 DeathAdder V4 Proは、2025年7月11日より予約受付を開始、25日に発売する。価格はブラック・ホワイトともに2万8980円だ。

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