PCメーカーがWindowsをプレインストールマシンに組み込む方法
「OEM Activation 3.0 System」
Windows 11のライセンスには、ユーザーがプロダクトキーを入力して有効化(アクティベーション)するものと、メーカーなどがあらかじめライセンス情報をハードウェアに書き込んでおき、インターネット接続が可能になると自動的に有効化がされるもの(デジタルライセンス)の2つがある。
パッケージライセンスでもMicrosoftストア経由の場合、デジタルライセンスとなる。これはMicrosoftストアがユーザー(Microsoftアカウント)と結びついており、ライセンスとユーザーの紐付けが可能になるからだ。
現在、PCメーカー(MicrosoftはWindowsのライセンス先をOEMと呼ぶ)が、デジタルライセンスをWindowsプレインストールマシンに組み込むための方法を「OEM Activation 3.0 System」という。番号があるのは、OEM Activationが改訂されてきたからだろう。
デジタルライセンスはWindows 10で始まった。プレインストールマシンでは、2015年11月のアップデート版(Ver.1511)からの対応だったと記憶する。OEMメーカーは製造時にACPIのMSDMテーブルにOEM Activation 3.0 Digital Product Keyという機器個別のデータを書き込む。
ユーザーがプレインストールマシンをインターネットに接続したとき、Windowsはハードウェアに記録されているProduct Keyを使って、Microsoft認証サーバーからデジタルライセンスを得る。これでWindowsが有効化される。このときハードウェア構成がMicrosoft認証サーバー側に記録される。
PCが再インストールされても、ハードウェア構成が同じであれば、デジタルライセンスを得ることができる。 なお、プレインストールマシンの場合、以下のコマンドでACPI MSDMテーブルにあるProduct Keyを調べることができる。
get-ciminstance softwarelicensingservice | select OA3xOriginalProductKey
ボリュームライセンスのアクティベーション
ボリュームライセンス(VL)の場合、組織内のクライアントマシンが25台以上であれば、Key Management Service(KMS)を利用することができる。KMSは、組織内のネットワークでWindows Serverを動かし、KMSホストを動作させることで、組織内のVLクライアントからの認証をまとめて処理できる。
クライアントマシンが25台未満の場合、個々のPCがMicrosoftのVL認証サーバーにアクセスしてアクティベーションを行う。これをMultiple Activation Key(MAK)という。

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