ついに約933gになった! 10万円台で買える「ThinkPad X13 Gen 6」はしっかり丈夫で使いやすいおすすめの機種
圧倒的な軽さを実現できた秘密は?
以上、ThinkPad X13 Gen 6の概要について紹介した。まとめると、900g台半ばの軽快な重量でありながら、堅牢性やキーボードの打ちやすさに妥協がない機種であり、54.7Whの大容量バッテリー搭載でも968gの軽量性を維持し、わずか30g程度の重量アップにとどめている点に注目だ。
ここではThinkPad X13 Gen 6がなぜ、ここまで軽量化できたかについても触れておこう。結論から先に言ってしまうと、そこに「ウルトラC的な何か」はない。数グラム単位の地道な軽量化をする工夫と努力、細かな改善が実を結んだものなのだ。
例えば、本体を覆う筐体(シェル)。ここは20%軽量化しているが、大きく効いたのは本体の表面積を減らしたことだ。本体がコンパクトになれば使用する部材の総量が減るため、その分軽量化ができる。同様にディスプレー部分もベゼルなどを減らして5%軽量化。内蔵するマザーボードも小さくして重量を半分に減らしている。
もう少し細かく説明していこう。まずディスプレーを囲うフレーム(ベゼル)は上側を従来よりも狭額縁化し、高さを減らすことができた。実機を見ると、左右と上部の三辺が狭額縁になっているが、上部に配置する必要があるカメラの部分だけが少し出っ張った特徴ある外観となっている。液晶ベゼルはパネルの保護だけでなくアンテナや内部配線を通すためにも重要だが、ThinkPad X13 Gen 6の場合、Wi-Fiのアンテナをディスプレーを折りたたむ際に稼働する部品(ヒンジ)の軸内に収納している。各社のノートパソコンを見ると、ヒンジ部分が左右に分かれている場合もあるが、ThinkPad X13 Gen 6は中央に長いヒンジを1本置く構造(ワンバーヒンジ)となっており、この内部にアンテナを通すことで、内部の空間を有効活用し、本体の省サイズ化を実現しているわけだ。また、制御基板も液晶パネルの裏側に置くことで、本体の幅と奥行きを最小限に抑えている。また、高さを抑えつつ、開閉をしやすくするため、カメラシャッターの構造も改良している。こうしたさまざまな工夫が盛り込まれているわけだ。
マザーボードの面積はThinkPad X13 Gen5より約30%小型化。重量は約50%軽量化した。従来機種ではCPUやメモリー同じ面(表側)に実装していたが、本機ではメモリーをマザーボードの裏側に置く両面実装にすることで全体の面積を減らせ、軽量化につながった。
逆に内部の空いたスペースには、従来より大型のファンを内蔵している。結果、静音性と冷却性能が大きく向上した。このファンはサイズが約70%大きくなった一方で、重量は約20%軽量化している。使用中のキーボード面の温度も快適に保たれており、静かで熱くならないのもメリットだ。
効率よく空気を循環できるため、冷却性能も上がっており、表面温度はマイナス18%も減少している。結果、CPUなどの部品を効果的に冷やすことができ、高負荷でCPUを動作させる時間が増え、CPUの性能をより高く引き出せる。冷却効果の改善によってパフォーマンス面が約10%向上しているほか、ファンの回転数を落とすことでファンノイズも12%減少しているという。
軽量化で犠牲になりがちな堅牢性についても、本体を軽量化するためにボトムケースを熱くして上にくる部分は薄くするといった細かな調整で頑丈さと軽さのバランスを取っている。細部の説明を聞けば聞くほど、軽量化だけでなく、快適さを損なわず使い続けられることへのこだわりが感じられる。


