ついに約933gになった! 10万円台で買える「ThinkPad X13 Gen 6」はしっかり丈夫で使いやすいおすすめの機種
ThinkPad X13 Gen 6とは?
ThinkPad X13 Gen 6は、2025年3月に発表された最新世代のThinkPadだ。携帯性を重視したThinkPadの中には14.0型のフラッグシップの「X1 Carbon」もあるが、「X13」シリーズは一回り小さい13.3型ディスプレーを搭載したモバイルノートパソコンとなる。軽く薄型の本体、十分な基本性能、高い堅牢性、長く使える保守性といった特徴をバランスよく備えた機種であり、ビジネスユースを中心に幅広い用途で使えるのが特徴だ。
前世代の「ThinkPad X13 Gen5」(2024年発表)からの大きな進化点は圧倒的に軽くなった重量だ。本体は約190gも軽くなっているが、この数値にはカバンからスマホが1台消えたぐらいのインパクトがある(iPhone 16の重量は約170g)。
バッテリーは標準の3セルバッテリー(41Wh)に加えて大容量の4セルバッテリー(54.7Wh)も選べるが、注目したいポイントは大容量バッテリーを選んだ場合でも重量がほとんど増えない点だ。大容量バッテリー搭載時でも本体は約968gと軽量で、両手に持って比べても重さの差をほとんど感じない。重量増を理由に大容量バッテリーを選べないという心配がないのが利点だ。
バッテリー駆動時間も長く、公称値とはなるがJEITA 3.0の測定基準で動画再生が最大約13.1時間、アイドル時で約26.1時間となっている。ACアダプターを持ち歩かずに外出先で作業を続ける必要がある人、出張など長時間の移動中に飛行機や新幹線で動画を楽しみたい人、さまざまな場所でウェブ会議に参加する機会がある人には嬉しいポイントだ。
強調しておきたいのは、こうしたスペックを実現するために、パソコンとしての使いやすさは一切犠牲にしていないことだ。
数値だけを見れば、市場にはもっと軽量な機種も存在するが、レノボのアプローチは「ユーザーがThinkPadに期待するすべての要素」を維持しながら、「持ち運びやすく最高に使いやすい製品を作る」ことにある。ただ軽量な本体を作るだけなら、重量が嵩むバッテリーの量を減らせばいいし、薄型化したいなら本体の強度やキーボードの打鍵感に多少目を瞑ることでもできる。しかし、これは長くパソコンを使い続ける上で最も重要な「使いやすさ=ユーザービリティ」を落とすことにつながりかねない。
軽量化に付随して、「使いやすさが落ちた」と思わせることは絶対に許さないのがThinkPadであり、ThinkPad X13 Gen 6でもこの点についての強い意志を感じる。大いに好感が持てる仕上がりだ。
ThinkPadらしさという点では、もちろんオリジナリティの高いトラックポイントや、打ちやすさにこだわり抜いたキーボードを備えている。13.3型の狭額ディスプレー搭載で17.75mm以下と薄型の本体はカバンなどに入れやすい。全体の剛性感は高く、手に持つと凝縮された密度感がある。手に触れたフィーリングはカッチリとしていて、筐体のふちを持て持ち上げた際にたわんだり、キーを押し込んだ際に底板がちょっと緩んだりする脆弱さは微塵も感じさせない。
ThinkPad X13 Gen 6では「薄さと軽さを、with ThinkPadクオリティーで作る」という長年培われた精神は、今もしっかりと継承されていることを、ほんの数分触っただけで感じ取ることができた。ここが本機を使う最大のメリットであり、他の機種と差別化できるポイントと言えるだろう。
基本スペックをおさらい
スペックについても見ていこう。CPUには複数の選択肢があるが、価格を抑えるならインテルの最新世代CPUであるCore Ultra シリーズ2(Core Ultra 200U、Core Ultra 200Hなど)の搭載がおすすめだ。Core Ultraには複数の種類があるが、200Uシリーズは電力消費の低さを重視した設計。200Hシリーズはコア数が多く、より高いグラフィックス性能を備えたCPUとなっている。
どちらもAI処理に長けたNPUを内蔵しており、最大11TOPSの性能を持つ。Copilot+ PCの条件である40TOPS以上の性能は満たさないものの、ウェブ会議の背景ぼかしやノイズ除去(Windows Studioエフェクト)をローカル処理できれいに実行できるなど、Windows 11標準のA I機能を低電力かつ高性能に実行できるのが特徴だ。
メモリーはオンボードタイプで16GBまたは32GBが選べる、ストレージは256GB、512GB、1TBの3種類だ。13.3型のディスプレーは縦の解像度が高いWUXGA(1920×1200ドット)で、タッチ対応のものも用意している。
通信機能やインターフェースについてはWi-Fi 7、Thunderbolt 4、USB 3.2、HDMI端子など、必要なものは備えている。WAN(5GやLTE)の搭載も可能だ。有線LAN(Ethernet)の端子は持たないが、本体付属のアダプターを使うことで、LANへの有線接続も可能で、本体側に保持したMACアドレスをUSB Type-Cドングル経由で利用可能なMACアドレスパススルーも利用可能だ。
堅牢性については、米軍調達基準「MIL-STD-810H」に準拠しており、落下・衝撃・振動・極端な温度変化といった過酷な環境下でも動作する高耐久性を持つ。加えてThinkPad独自の堅牢性試験も実施している。ここはほかのThinkPadと同じだが、いつも通り堅牢性に手を抜いていないという点は、購入時の安心感につながるだろう。
面白いのは、3種類のACアダプターが選べる点で、すべてが65Wの急速充電対応となっていること。サイズは標準でも110ccとコンパクトだが、80ccでケーブルを巻けるタイプや49ccと非常に小さいGaNアダプターも用意している。
性能的には後述するように、ビジネスモバイルノートパソコンとして十分な水準を備えており、性能の不足を感じるシーンは少ないだろう。今後ニーズが増えてくるAIについても、クラウドではなくローカル(パソコン側)の処理で担うことにより、クオリティーの高さと省電力を両立している。



