かんぽ生命も採用するクラウドコンタクトセンターの実力は?
「Amazon Connect」が東京-大阪でDR対策可能に 生成AIのアウトバウンド支援機能も
2025年06月25日 15時00分更新
かんぽ生命がAmazon Connectを選択した5つの理由
かんぽ生命では、このAmazon Connectで大規模コンタクトセンターを構築する予定だ。同社のICTを担う、かんぽシステムソリューションズの代表取締役社長である酒井則行氏が、その経緯を説明した。
現在、かんぽ生命のコンタクトセンターは、オンプレミスPBX・CTI環境を用いて、顧客向けコールセンター(全国8拠点600席)と拠点窓口向けヘルプデスク(全国6拠点400席)の、合計1000席の規模で運営されている。これをフルクラウド化して、約2000席の大規模コンタクトセンターへと刷新する。
同社では、2024年初頭にフルクラウドのコンタクトセンターにする方針を決定した。その理由について酒井氏は、「小さく始められ、場所もとられない、規模の拡大に対しても柔軟に対応できる。何より、AIなどの最新テクノロジーを取り入れやすい」と説明する。
最初に、顧客対応を一元管理するためのアプリケーションとして、Salesforceの「Service Cloud」の採用を決定。そして、クラウド音声基盤としてAmazon Connectを選択した。
すでに2024年12月には、Amazon Connectにより、アウトバウンド業務用のコールセンター(450席規模)を構築済みだ。こちらではサービスイン後、音声切断などもなく安定稼働しているという。2026年1月には、満を持して大規模コンタクトセンターを稼働予定であり、同時1000コールの接続に耐えうる負荷性能を検証中だ。
酒井氏は、Amazon Connectの選定理由を5つ挙げる。
ひとつは、「構築のスピード」だ。PoC環境が調達不要で、迅速かつ低コストで検証ができる。2つ目は、「専門スキルが不要」な点だ。「特に音声技術は、理解を深めるのが難しい。クラウドなら最初から提供されて扱うだけ」と酒井氏。3つ目は「マルチクラウド連携」だ。将来的に他の音声認識やSMS配信サービスとも容易に連携ができる。
4つ目は、「フリーダイヤルの移行」だ。既存のフリーダイヤルやナビダイヤルとの紐づけが刷新の前提になっていた。最後が「Salesforce連携」だ。あわせて導入したService Cloudとの親和性の高さが必須だった。
今後も同社は、音声認識や各種AI機能、アウトバウンドキャンペーン、大阪リージョンなど、Amazon Connectの多様なサービスの活用を検討していく予定だ。

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