日本の強みを活かした効果創出は“ミドルマネジメント”が鍵に
日本企業における生成AIの効果創出が著しく遅れている現状を受けて、三善氏は、「効果の格差が指数関数的に広がる恐れがあり、早急に手を打つべき」と警鐘を鳴らす。
日本企業が生成AIの効果を挙げるためには、経営直轄の推進体制を築いたり、業務プロセスや活用基盤を抜本的に見直すなど、先に挙げた共通の成功要因を推進していくのが正攻法といえる。
もっとも、こうした日本企業への提言は「DX推進などでも言われ続けていること」でもある。そこで、三善氏は、“日本の強み”を活かした対応案も挙げる。その強みとは、「個々社員が強い責任感や自律性、ジェネラリストとしての業務スキルを持っていること」、そして「生成AIを積極的に活用する姿勢を、標準的に有していること」だという。
この強みを活かすには、現場の知識を持つミドルマネジメントが、経営層の戦略的意図を汲み取り、個々人の成果を組織・企業レベルにまで昇華することが鍵となる。三善氏は、「“ツールとして面白がって使っている”ような、個人レベルの成果創出を、ベクトルを揃えて大きな力に変えていく。それができれば、諸外国とは異なる強みになる」と強調した。









