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新宿ガード下レベルの轟音でも、ビデオ会議OK

爆音を「無効化して静かにする」超高性能ノイキャンヘッドセットで遊んだ!

2025年07月09日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●大谷イビサ/MOVIEW 清水

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高いノイキャン性能を謳うマイク搭載の「ATOM AIMic Pro」を屋外レビュー!

 どんなに周囲がうるさくても、自分の声だけがクリアに届く──そんな“夢のようなイヤホン”が、2025年春、Makuakeで話題をさらった。

 「ATOM AIMic Pro」は、最大110dBもの騒音を打ち消すという驚異のノイズキャンセル性能を武器に、クラウドファンディングで975万9000円を集めて大成功を収めたワイヤレスヘッドセットだ。電車が通る時のガード下が100dB相当と言われているので、最大110dBといえば、“相当うるさい”騒音だ。

 「その実力、“本当の本当に”ホンモノなのか?」「大袈裟に言ってるだけじゃないの?」「パチンコ店や電車の高架下レベルの騒音環境でも“自分の声だけ”を届けられるのか?」……数々の疑問を気になった筆者は、テスト機を片手に、とびきりうるさい場所へ飛び出した。今回は、噂のヘッドセット「ATOM AIMic Pro」の真価を、実地テストで確かめる。

耳をつんざく騒音の新宿ガード下でビデオ会議に参加してみた

 忙しいビジネスパーソンだと、外出先でビデオ会議に参加しなければならないことは多い。コワーキングスペースや仕事ができるカラオケなどが見つかればいいが、そううまくいかないこともある。とはいえ、喫茶店だと周囲の人に迷惑なうえ、ビジネスに関する情報を聞かれるのも困る。そんな時は、屋外から参加するしかないが、そうなると環境音がうるさい。

 MeetやZoom、Teamsといったビデオ会議ツールにはノイズキャンセル機能が搭載されており、環境音をカットしてくれる。例えば、タイピング音だったり、エアコンの動作音、インターホンのチャイム音などは綺麗にカットできる。高級ヘッドセットなら、マイクにノイズキャンセル機能を搭載していることもある。

 おそらく、普通の環境でテストをしても、「しっかりクリアな音質ですね」で終わってしまう。そこで、現実味がないほど本当にうるさいところで試してみることにした。

 まずは、新宿の雑踏。Meetでビデオ会議をつなぎ、音質をテストする。Meetの音質を向上させる「Studio sound」設定はあらかじめオフにしている。すぐ横を車や人がバンバン通り、まあまあうるさいが、まったく問題なく、声だけが届いている。クリアといえばクリアだが、高音質というわけではない。わずかにこもっているというか、音質が劣化している感じだ。とはいえ、会議で会話するのであればまったく問題はない。おそらくは強力なノイズキャンセル処理の影響なのだろう。音が割れたりしているわけではないので、聞き取りやすさは○。

 筆者と担当編集の二人で新宿をうろうろと歩きながらテストをしたのだが、二人とも「ATOM AIMic Pro」を付けて会話し続けた。もちろん、直接話すのと比べるとわずかにレスポンスが遅いのだが、会話に支障はない。「ATOM AIMic Pro」はオープンイヤー型なので、環境音は聞こえるものの、ビデオ会議の音声もきっちり聞こえる。

新宿の雑踏くらいならまったく問題なく会話できる

 新宿のガード下でも通路によって、電車の通過音の聞こえ方が異なる。一番うるさいところを見つけて、その真下でテストしてみた。耳が壊れそうなほどの騒音で、話している自分さえ声が聞こえない。Meetと同時に、ICレコーダーも手に持って録音したのだが、こちらには騒音だけで声は録音できていなかった。

 その後、Meetの録画を見たところ、普通に話していて驚いた。何度も見直したのだが、列車通過時の轟音が一切入っていない。ほんのわずかに声がかすれ気味になる部分もあるが、文章はまるっと聞こえる。途中で電車が通過して、轟音はなくなるのだが、そこで音質が変わることもなかった。「ATOM AIMic Pro」の110dB対応、伊達ではなかったようだ。

 次に、Meetの「Studio sound」設定をオンにして、スマホのマイクでテストしてみた。やはり、Meetのノイキャン性能はなかなかのもので、列車の轟音はほとんどカットされていた。しかし、人間の音声もとびとびにしか聞こえず、ビデオ会議に参加したら怒られるレベル。新宿ガード下なのだから当たり前なのだが。ちなみに、文章を読み上げている間に電車が通り過ぎると、その後は音声がクリアになった。雑踏や車の音程度であれば、Meetのノイキャン機能だけでもなんとかなりそう。

列車通過時に一番うるさいポイントでビデオ会議に参加

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