親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第327回
60代女性のスマホ利用時間がたった2年で1.5倍に増加
シニア男女でもパソコン利用時間に差がある理由は「就業状況」かも
2025年06月17日 09時30分更新
60代は女性、70~80代は男性が長時間スマホを使う
10年前と比べて、シニアのスマホ所有率は4倍になっている。では、利用時間はどうなっているのか。NTTドコモ モバイル社会研究所「2025年シニア調査」(2025年1月)を見ていこう。
各年代別のスマホ・パソコン・タブレット利用時間(仕事での利用も含む)を見ると、どの年代も男性はパソコン利用時間が長くなっている。スマホの利用時間は、60代では女性が長く、70代と80代前半は男性が長い。
60代女性のスマホ利用時間は1.5倍に増加
ここ2年間の利用時間の経年比較を見ると、スマホ・パソコンの利用時間ともにほとんどの性年代で上昇傾向が続いている。特に60代女性のスマホ利用時間はたった2年の間に1.5倍(32分)も増加しており、スマホの浸透力の強さがうかがえる。
なお、男女差が生まれている理由の1つは「就業状況」の違いの可能性がある。正規社員間ではスマホ・パソコン利用時間に大きな差はない。一方、正規社員を占める性別の割合は大きく異なり、男性のほうが多いのだ。
また、ほかの就業状況では、男性がややパソコン時間が長め、パート・アルバイトでは女性のスマホ時間が長い傾向があった。
全体に、若ければ若いほどスマホの利用時間が長い。正規社員は仕事でパソコンを使う機会が多いためパソコン利用時間が長くなる。それ以外の就業状況では男性がパソコンを好み、女性がスマホを好む傾向にあるのは、男性が正規社員だったとき(定年退職前など)にパソコンに馴染んでいたことなどが影響しているのではないか。
シニア層もスマホを使い始めているが、まだ十分に使いこなしているわけではない。周囲は、シニアのスマホ経由での詐欺被害などに警戒し、見守る必要があるだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社α新書)、『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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