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警察がLINEで取り調べ? そんなことはありません

2025年05月16日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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警察を名乗る不審な電話に気をつけろ

 ある日突然、警察を名乗る電話がかかってきたら、あなたはどうするだろうか? 話を聞かなくては、協力しなくては……と考えても不思議ではないだろう。しかし、それは“偽の警察”からの電話かもしれない。

 警察を名乗る不審な電話に関する相談が、全国の消費生活センターなどに多く寄せられているという(警察を名乗る電話に注意!−警察がLINEに誘導することはありません−(発表情報)_国民生活センター)。

 報告例としては、以下のようなものがある。まず、スマホに警察官を名乗る人物から電話があり、「あなたの銀行口座が資金洗浄に使われている。すでに逮捕した犯人があなたと共謀していると言っている。LINEのビデオ通話なら出頭せずに済む」などと言われて、ビデオ通話に誘導されたという。

 ビデオ通話では相手から警察手帳を見せられ「被害届が出ている」などと言われたため、相手の指示に従い、住所、電話番号、職業、銀行口座情報を伝え、運転免許証を提示した。およそ3時間ほど通話が続き、金銭を振り込む必要があるなどと言われたところで、不審に思い電話を切ったそうだ。

 他にも、下4桁が「0110」の番号から電話があり、取ってみると警察を名乗って逮捕状が出ていると言われた、2時間後に電話が使えなくなるとの電話のあとに犯罪捜査のためと言われお金を振り込んだ……などという相談もある。

 中には、相手が自分の個人情報(氏名や住所など)を知っている場合もあり、消費者が相手を信用してしまう要因となっている。電話口で「逮捕」などと言われると、仕事や生活への影響を恐れて焦って対応してしまう可能性もあるだろう。

警察がLINEのトークやビデオ通話で連絡を取ることはない

 「警察を名乗る電話」に関して、気をつけることはなんだろうか?

 まず、警察がLINEのトークやビデオ通話で連絡を取ることはない。そして、アプリで警察手帳や逮捕状を示すことや、お金を振り込ませる要求をすることもありえない。

 警察からと思われる電話であっても、所属や担当者名、電話番号、内線番号等を聞いた上でいったん電話を切り、警察署などの連絡先を自分で調べた上で相談することが望ましい。

 実在する警察署の電話番号を偽装表示させる手口もあるので、「本当の警察署の番号だから……」とすぐ信じる必要はない。不安を感じたり、不審に思ったりした場合は、消費生活センターや警察に相談しよう。

■消費者ホットライン「188(いやや!)」番
 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センターなどを案内する全国共通の3桁の電話番号
■警察相談専用電話「#9110」番
 発信地を管轄する警察本部などの総合窓口につながる全国共通の電話番号

 今回は手口が巧妙化している振込詐欺についてより深く知るために、McAfee Blogから「最近、巧妙化している振込詐欺の悪質な手口と対策」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

最近、巧妙化している振込詐欺の悪質な手口と対策:McAfee Blog

ここ最近、日本では振り込め詐欺を含む様々な特殊詐欺事件が多発しており、連日ニュースを騒がせています。このような事件が頻繁に起こっている原因として、送金手段をはじめとする様々な金融取引がオンライン上で行なえるようになったことが大きな要因と考えられています。ほんの10数年前までは、わざわざ振り込みするために銀行へ行ったり、お店に出向いて買い物していましたが、あらゆることがデジタル化した現代ではどこからでもオンライン上で商品を購入することができ、自宅に配送されるなど大変便利になりました。しかし、サイバー犯罪者はそれらのオンライン上での金融情報を狙っているのも事実です。今回は、日本における特殊詐欺と振込詐欺の現状と手口の事例を紹介するとともに、被害に遭わないために取るべき対策について紹介します。

年々増加する日本国内での特殊詐欺

最近、2019年末から続いた新型コロナウイルスパンデミックがようやく収束し、国内外の人々の往来も活発化しており、以前の様子を取り戻しつつあります。ここ数年は移動の制限があったことによってパンデミック前と比べて新たな変化がいくつか起こりました。その中の1つが非接触型決済のオンライン決済の増加です。オンラインバンキングやクレジットカード決済は以前から存在していましたが、現金のように人同士の接触を避けることができるQR決済や電子マネーなどが新たに登場し、急速に浸透しました。しかし、これらの新たな決済方法をはじめとするオンライン上での金融取引を悪用して次々と事件が発生しています。

警視庁の調べによると、これまで振込詐欺をはじめとする「特殊詐欺」による被害額は2014年の559.4億円をピークに減少していましたが、2023年は暫定値ながら前年比70.4億円(19%)増の441.2億円と再び上昇傾向にあり、認知件数に関しても2023年は過去最大の19033件(前年比8.3%増)も発生しています。

また、インターネットバンキングによる不正送金は同じく暫定値ながら前年の約5倍の5528件で、被害額も過去最高である2015年の30億7300万円を大きく上回る85億9500万円と大幅に増加しました。

2023年に発生した特殊詐欺の中でも認知されている振込型詐欺の件数は6495件(前年比7.2%増)、被害額はなんと2022年よりも88.8億円も増えた194億円(前年比84.3%増)にもなることからわかる通り、日本では再び振込詐欺が頻繁に起こっているといえます。詐欺を企てる犯罪者達の主なターゲットとなるのは65歳以上の高齢者です。法人を除いた被害件数の中で高齢者の被害の割合は実に約8割(78.3%)にも上り、そのうちの大半が女性です。最近ではInstagramやX(旧Twitter)などのSNSを通じてオンラインセキュリティの知識が乏しい若年層や副業を探している会社員を狙った詐欺事件も起きています。

サイバー犯罪者が振込詐欺に使用する手口

犯罪者が被害者に接触する手段としては電話を筆頭にポップアップ表示やメール、メッセージ、はがきなどが使用されています。主な詐欺の手口は、オレオレ詐欺や預貯金詐欺、架空料金請求詐欺、還付金詐欺、キャッシュカードを盗む詐欺などです。このうち、2023年で最も多かったのは、大手企業などの類似したサービス等を装って料金を騙し取る「架空料金請求詐欺」です。認知件数は5136件(前年比75.8%増)、被害額は138億1000万円(前年比35.7%増)で、被害者の実に43.8%がウェブサイトを閲覧する際に表示されるポップアップをきっかけに騙されました。

近年はこれらの詐欺事件の増加とともに日本の警察も取り締まりを強化していますが、犯罪者グループは身元を隠すために活動拠点を東南アジアなどに移しています。彼らは現地から日本国内へ電話をかけて振り込め詐欺を行なうなど組織的な犯行が増えています。犯罪者グループの中でも被害者に振込詐欺などに誘いこむ電話をかける人物のことを受け子と呼びますが、これまで検挙された受け子を含む被疑者の約半数がSNSから応募したというデータもあります。このようにSNSやインターネット上には、「闇バイト」と呼ばれる様々なサイバー犯罪に勧誘する甘い誘惑や様々な危険がうごめいているといえます。

実際に起きた振込詐欺の手口の事例

以下では、実際に起きた振込詐欺に使われた主な手口の事例をまとめました。

オレオレ詐欺

オレオレ詐欺は、日本で最も知られている振込詐欺の手口の1つです。ターゲットとなる単身で暮らす高齢者に子供や親族を装って電話をかけて事故や急病などと偽って、大金を振り込ませる手口です。各銀行では高齢者が現金を引き出す場合に限度額を制限したり、振り込みの際にスタッフが確認するなどいくつか対策を講じていますが、いまだに一定数の事件が起きてしまっています。

ポップアップから電話へ誘導する詐欺

上記のデータからもわかる通り、最近は大手オンラインセキュリティサービスなどを騙るポップアップによる詐欺が増えています。ウェブサイトを閲覧している際にポップアップ広告などが表示されることがありますが、このポップアップを悪用して「お客様のパソコンでウイルス感染が確認されました」や「復旧するためには至急、セキュリティ対策ソフトの導入が必要です」などとユーザーを心理的に焦らせて本物そっくりの架空のサイト内で支払いを求めて大金を送金させたり、オンラインバンキングのログイン情報を盗みます。また、最近ではサポートセンターなどと称した架空の問い合わせセンターに電話するよう誘導され、言葉巧みに説明されて振込みをさせられてしまう事件も起きています。

副業を騙る詐欺

SNS上では副業募集などと称して、お金を騙し取る手口も多いです。副業募集の案内に従って応募すると、手続きに必要として一定金額の振り込みを求められたり、消費者金融に登録させられて勝手に大金を借りられてしまうなどのケースが起きています。また、アンケートと称して個人情報を盗む手口も確認されています。

大手企業の公式メールと装う手口

Amazonや楽天、大手銀行、クレジットカード会社、電力会社などの公式メールを装った手口も多く、多くの被害者が出ています。これらは主に不特定多数のユーザーに対して「ユーザー情報の再登録のお願い」などという偽の公式メールを送りつけて個人情報などを入力させたり、「料金の未払い」などがあるとしてお金を振込ませる手口です。

投資詐欺

大昔から存在する詐欺の手口が投資による詐欺です。犯罪者は主に裕福な中高年をターゲットとし、SNSの投稿などから投資に興味のある人を割り出します。その後、SNS内のメッセージをはじめ、メールや電話などを使ったり、実際に会うことで相手を信用させて投資話を持ちかけ、言葉巧みに振り込ませたり、架空の投資サイトを経由することでオンラインバンキングへのログイン情報などを盗んで大金を奪います。また、最近では勝手に有名人の名前を騙る投資詐欺事件も起きています。

ロマンス詐欺

大昔から存在する詐欺の手口が投資による詐欺です。犯罪者は主に裕福な中高年をターゲットとし、SNSの投稿などから投資に興味のある人を割り出します。その後、SNS内のメッセージをはじめ、メールや電話などを使ったり、実際に会うことで相手を信用させて投資話を持ちかけ、言葉巧みに振り込ませたり、架空の投資サイトを経由することでオンラインバンキングへのログイン情報などを盗んで大金を奪います。また、最近では勝手に有名人の名前を騙る投資詐欺事件も起きています。

振込詐欺の被害に遭わないための対策

振込詐欺の手口は、電話による親族を騙るオレオレ詐欺などの古くからある手法をはじめ、その手口は年々巧妙化しています。私達は上記で紹介したようなサイバー犯罪者達の様々なアプローチ方法に対して、日頃からどのように対応していけばよいのでしょうか。以下では、振込詐欺の被害に遭わないために実行するべき対策をまとめました。

身に覚えのないメッセージやメールは無視

メールやSNS内では、様々なところからメッセージが届きます。なかには罠もあるので、身に覚えのないメッセージやメールは基本的に無視するようにしましょう。また、プライバシー設定を強化することで見知らぬアカウントからのメッセージを受信拒否することができます。

パスワードは複雑なものに変更

SNSやオンラインサービスなどのパスワードは誕生日など推測されやすいものは避け、大小英字と数字や記号を使用した複雑なパスワードを設定するようにしましょう。そうすることで、サイバー犯罪者に個人情報を盗まれて振込詐欺などの連絡が来ることを防ぐことができます。

普段から家族とコミュニケーションをとる

家族や親族とコミュニケーションをとることが重要です。簡単なLINEでの報告だけでもいいので、普段から近況を共有しておくことでオレオレ詐欺などを未然に防ぐことができます。特に祖父母や親など高齢者が単身でお住まいの場合は、日頃から連絡をしておくようにしましょう。また、電話での呼び方や合い言葉など家族にしかわからないことを事前に決めておくことも重要な対策といえます。

振り込む前に相談する

オンラインセキュリティの知識に乏しい高齢者や若年層などは振込詐欺のターゲットとして狙われやすいです。万が一、振込詐欺の疑いのある連絡が来た場合はすぐに決断したり、1人で抱え込まずに家族や友人に相談したり、各銀行のスタッフや各都道府県のサイバー犯罪対策窓口に相談するなどしましょう。

セキュリティ対策ソフトを導入する

オンライン上のセキュリティ面を強化することでサイバー犯罪者からのアプローチを断ち、振込詐欺の被害を防ぐことができます。マカフィーは、オンラインセキュリティ業界の中でも優れたセキュリティサービスを提供していることでも知られています。なかでもマカフィー+は、様々なセキュリティ保護サービスが利用できる総合的なセキュリティ対策ソフトです。例えば、ウェブ保護機能はアクセスするウェブサイトの安全性を事前に知ることができるので安心してインターネットを利用することができます。また、ID・個人情報のモニタリング機能は、ダークウェブ上に個人情報(最大60種類)が漏洩していないかを常に監視することができます。

まとめ

今回は、振込詐欺の現状とその対策について紹介しました。日本では振込詐欺は詐欺の常套手段として知られており、どの年代においても一定数起きる詐欺の手口といえます。現在、日本国内ではコロナ禍を機にSNS上の詐欺が増加傾向にあり、特にスマホデビューしたての高齢者などのシニア層をはじめ、社会経験が少ない若者がサイバー犯罪者のターゲットとされています。上記で紹介した振込詐欺をはじめとする特殊詐欺の傾向を知っておくことで、被害に遭わないためには普段からどのような対策を講じるべきかヒントになったはずです。

また、地方に住む両親や祖父母を振込詐欺から守るためにも日頃からこまめに連絡するようにし、親族間でのコミュニケーションもしっかり取っておくことが重要といえます。

そして、マカフィー+のような優れたセキュリティ対策ソフトを導入することでオンライン上でのセキュリティ面をより高めるとともに安心してインターネットを利用することができるようになるでしょう。

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

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