Windows 11がWindowsの主流になり、そろそろ次が出てくる段階
現状、Windows 10と11のシェアを見ると、市場で稼働しているWindowsの半数以上はWindows 10であるとされている。とはいえ、60%を越えてはいないようだ。
これに対して、Windows 11のシェアは、いまだ50%以下である。ただし、40%以上には達していると言われている。つまり、その差は縮まってきており、ほぼ同じになるのはそう遠くない。今年10月のサービス終了時点でWindows 11が追いついている可能性もある。
ただ、世の中にあるWindows 10マシンがある日突然消滅するわけではないため、ハードウェアの買い換えなどにより段階的にWindows 11に置き換わっていくことになる。Windows 10のサービス終了は、今後はWindows 10の新規インストールやプリインストールマシンの製造がないことを意味し、これ以上シェアが上昇することはない。
Microsoftの長期的な目論見としては、Windows 10以前のWindowsマシンをできるだけWindows 10に集中させ、その後Windows 11で稼働条件を絞り、対象ハードウェアを限定することにあったと思われる。
Windows 10は、2015年に完成、2025年に終了と約10年間の寿命があった。現状、Windows 10より前のWindowsのシェアは10%以下となった。おそらくは特殊な用途や、個人的な好みで維持されているだけであり、実質的にはすでにWindowsは10と11の2つだけになったわけだ。
今後Windows 10は、ハードウェアの消耗や買い換えなどで減少する一方だけなのに対して、Windows 11は新規マシンにプリインストールされる形で市場に出て行く。後は待つだけでWindows 11が主力Windowsになるというわけだ。
Windows 10が消え、Windows 11が主流になったら、そろそろ次の「名前」が取り沙汰されるのではないかと思われる。そのバージョンアップのときこそ、ハードウェア要件を厳格に適用することで、将来のWindowsが対応しなければならないハードウェアの範囲が限定される。
たとえば、現在のCopilot+ PCが要求する高性能なNPUなどを必須のハードウェア要件とすることで、Windowsは高性能NPUを前提とした機能を標準的に利用することができる。
今後もAIの需要が増大することを考えると、クラウド側でのAI推論実行にはいずれ限界が来る。スケールアウトもスケールアップも、一定サイズを超えると、コストが急激に増大するからだ。そのためには、AIの推論処理をローカルでさせるしかない。そのためには高性能NPUをWindowsのインストールに必須とするしかない。NPUは、CPUに統合される半導体なので、ハードウェアコストが急激に大きくなることはない。
Windows 11 Ver.24H2は、Copilot+ PCの導入もあり、少し展開にもたつきが感じられた。アップデート時のトラブルもこれまでのバージョンよりも多かった感がある。次の25H2でMicrosoftが何を計画しているのは不明だが、24H2よりは大人しいバージョンアップになるような気がする。

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