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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第102回

“偽人間”のリスクと誘惑 共感するAIと、問われる人間らしさ

2025年04月14日 07時00分更新

文● 新清士

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「偽人間」が当たり前になり、人間とは何かが問われる時代に

 人間らしさを感じさせることに成功した可能性があるGPT-4.5のチューリングテストの突破は、人間を凌駕するAIの登場の先触れに過ぎません。今後、様々な研究で、より複雑なチューリングテストを超えたとの発表がなされるでしょうが、それらは人間とほとんど区別がつかないAIに着実に近づいている過程だと考えて間違いありません。

 もちろん、それは我々の日常世界に、多数の「偽人間」が存在することが当たり前になることも意味しています。そして、それは人間が人間たらしめているものとは何かを理解し、より掘り下げていく世界でもあると考えられるのです。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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