このページの本文へ

モーダル小嶋の「これを食べたくなったので」 第39回

4月9日から4月15日まで

松屋が1000円超えの「神戸牛の牛めし」を作った! 松屋銀座とのコラボ商品が期間限定販売

2025年04月09日 18時00分更新

文● モーダル小嶋(アスキーグルメ)  編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

松屋×松屋銀座のコラボレーション

 松屋フーズは、4月9日から4月15日まで松屋銀座地下1階食品催場にて「肉グルメが大集合!松屋のニク活 in GINZA」と題したポップアップイベントに出店します。

 2025年に開店100周年を迎える「松屋銀座」と、同じく「松屋」の社名を持つ2社の縁で実現したコラボレーション。

「松屋銀座にPREMIUM松屋オープン!」だそうです

 実は、2019年よりコラボレーションの構想を練っていたものの、新型コロナウイルスの影響を考慮し断念。100周年メモリアルイヤーを祝して、6年越しの実現に至ったのだそう。

 松屋銀座が大切にする“高級感と親しみやすさ”をテーマに、和牛や神戸牛など国産のお肉、国産米を使用した、ここでしか味わえないスペシャルな松屋銀座限定商品が発売されます。

「神戸牛 牛めし」の巨大なパネルが目印/p>

 発売される商品は「神戸牛牛めし」「神戸牛牛めし大」「国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ」「雪国育ちの濃厚トンテキ」の4種類。すべての商品のお米に、青森県産のまっしぐらを100%使用しています。

商品は4種類。ただし、牛めしの量が2種類あるので、メニューとしては3種類

すき焼きのような味わいになった「神戸牛牛めし」

看板商品の牛めしが生まれ変わりました

▲「神戸牛牛めし」1100円、「神戸牛牛めし大」1700円

 牛めしでおなじみの松屋らしく、プレミアムな牛めしを用意。「神戸牛牛めし」はその名の通り、神戸牛を使用した松屋銀座限定のオリジナル牛めしです。ただ牛肉に神戸牛を使ったというだけではなく、イベント用に松屋銀座限定の調理方法を採用しています。

 松屋の店舗を想像してみてください。牛めしの具材を「煮て」いますよね。店舗で出す牛めし用の牛肉だからこそ、その調理法が活きる。ところが今回の神戸牛では、いつもの松屋の調理過程だと、脂が出すぎてしつこくなってしまうそう。

 そこで、一旦「焼く」工程を入れ、肉自体もやや厚めに切ることで、神戸牛の脂の旨味を活かしつつ、牛めしとしてのバランスを取ることに成功したのだとか。

「焼き」の工程を入れたほか、少しだけ肉を厚めに切っています

 タレにも一工夫。松屋オリジナルの牛めしタレは“ダシを効かせた”味わいですが、そこに神戸牛の旨味を引き出すため、やや甘めのタレをブレンドした特別仕様。また、タマネギや付け合せの紅生姜も、国産を使用したこだわりの一品です。

肉の食感やタレの風味が異なることもあり、店舗のものと比べると印象がかなり変わりました

 食べてみると、明らかにいつもの松屋の味とは違う。焼きを入れたこと、肉自体がすこしだけ厚めなことや、タレが甘めなのも手伝って、高級感・特別感があります。牛肉とタマネギの甘みが際立っていますね。「すき焼き丼」のようなイメージといえばいいのかな。

 ただ、「いつもの松屋の味とは違う」というのはむずかしいところもあって、あえていえば「別物」なのです。なので、「あっ、松屋の味が進化している!」という感じではない。違う路線の牛めしといえましょう。

 これはこれでおいしいし、いつもの牛めしにも良さがある。なので、「特別なメニュー」として考えるのがよろしいかと思います。そのオンリーワンな感じを楽しめるので、1000円超えの価格もアリかな……と。

ハンバーグに一工夫あり
「国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ」

定番の“うまトマ”もこだわりの食材で進化

▲「国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ」1300円

 「国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ」は、国産黒毛和牛を使用したハンバーグに、黄身の濃さが特徴の「マキシマムこいたまご」を使用した半熟玉子をトッピングしたものです。

 こちらは、神戸牛牛めしとはかなり雰囲気が違います。というのも、ソースがかなり“松屋”なのです。トマトの酸味とニンニクのパンチでガツンと食べさせる味付けになっている。「そうそう、これが松屋の味だよね」と思わせてくれます。

 ポイントはハンバーグ。こちらも牛めしと同じく、店舗と同じように調理するというわけにはいかない。なぜならアツアツを提供できる店舗とは違い、冷めてもおいしく食べられるようにしないといけないから。

いつもの松屋のハンバーグとは一味違う

 肉の挽き方や配合などに工夫を凝らし、やわらかさが残り、黒毛和牛の旨味を活かせるようにブレンドした挽き肉を使用。その成果でしょう、冷めていても「肉の粒感を保ちつつ、肉汁と旨味が感じられる」ハンバーグとなっています。

 そのハンバーグにあわせるのは、松屋らしいうまトマソース。トマトの味わいをかなり強く出しています。ハンバーグ自体の食感が変わっていることや、コクのある半熟卵とあわせることなどを考えているのでしょう。

 そういったわけで、「いつもの松屋の味わいが、よりグレードアップしている」という感覚を強く味わえます。1300円という価格は安いとはいえませんが、百貨店のハンバーグ弁当してのクオリティーは保っていると感じました。

ソースが店舗のものと同じ?
「雪国育ちの濃厚トンテキ」

シンプルに素材の良さが際立つというトンテキ

▲「雪国育ちの濃厚トンテキ」1300円

 「雪国育ちの濃厚トンテキ」は、松屋が販促メニューとして期間限定で出していたトンテキを復活させたもの。この商品も肉にこだわり、雪国で育った甘味たっぷりの脂とやわらかな肉質が特徴の国産豚を150g使用した、ボリューミーな商品。松屋オリジナルトンテキダレを使用しごはんが進む味わいに仕上げています。

 さらっと「松屋オリジナルトンテキダレを使用」と書きましたが、そうなんです、これは店舗で展開していたタレと同じものを使用。国産豚をトンテキに仕上げて、いつものタレをかけてみたらちょうどよかった……ということで、何も変えていないのだそう。

タレはそのままなので、豚肉はもちろん、ガーリックのパンチも違いがわかるかと

 そうなれば、豚肉の良さというのがグッと前に出るわけで、ジューシーな食感が楽しめたのが好印象でした。青森県産のニンニクを使用したフライドガーリックも、香りがしっかりあってインパクトに繋がっています。

 味付け自体は松屋の店舗で出てくるメニューと同じ雰囲気なのだけれども、上質な素材を使うことで差が出てくるという、ある意味では「松屋によく行く人」こそ違いがわかる商品といえるかも。


 

 同じ“松屋”という屋号を持っている、松屋と松屋銀座。今年のエイプリルフールでもコラボしていましたが、嘘から出た真というか、満を持しての(?)商品展開となりました。

 

 いつもの牛めしとは異なる印象の神戸牛牛めしが注目されるかと思いますが、「松屋の味わいがグレードアップ」的なうまトマハンバーグとトンテキにも要注目。

 松屋で食事をする機会が多い人なら、「あの松屋がこういうふうに変わるのか」と楽しめるでしょう。逆に、松屋銀座で弁当や惣菜を買うことが多い人なら、「牛めし・定食チェーンの松屋の雰囲気って、こんな感じなんだ」と新鮮に感じられるかもしれません。

ちなみに、地下にも広告がありました

 松屋フーズ側は「実現できるならまたやりたい」と息巻いていた今回のコラボレーション。今後の展開も気になるところです。

※価格は税込表記です。

モーダル小嶋

モーダル小嶋

1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願いします。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事
もぐもぐ動画配信中!
アスキーグルメ 最新連載・特集一覧