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「GMOサイバーセキュリティ大会議」パネルディスカッションレポート

ホワイトハッカーをYouTuberのような憧れの職業にするためには? 有識者たちが議論

2025年04月02日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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ホワイトハッカーを憧れの仕事にするためには?

上野氏:ホワイトハッカーを憧れの仕事にするためには何が必要になりますか?

園田氏:昔、野村監督が言っていましたが、「良い暮らしをしてみせて、目に見えてわかりやすい憧れ」というのは必要になると思います。あとは、実力を可視化することですね。例えば、CTF(Capture The Flag、セキュリティのスキルを競うイベント)でトップになれたら、それは憧れるじゃないですか。

篠田氏:「クールな人たちと一緒のコミュニティで育っていきたい」というのは、原動力になります。アメリカの大学にはサイバーセキュリティコースがあるのですが、卒業しても8割がセキュリティの職種についてないそうです。原因はまだよくわかっていませんが、先ほど言われていた、褒められないという点はあると思います。

牧田氏:僕は娘が3人いるのですが、小学生の時に将来何になりか聞いたら、YouTuberでした。そうではなく、ホワイトハッカーが子供たちの夢になるような社会であるべきです。YouTuberは社会が評価していて、いつも見てもかっこいい憧れの人がいて、良い生活をしています。セキュリティエンジニアに関しても同じだと思います。

篠田氏:学生たちにサイバーセキュリティの道に進もうと思った理由を聞いた時、国が募集しているから、という答えがありました。サイバーセキュリティ人材が必要だというシンプルなメッセージも有効だなと改めて思いました。

上野氏:今後、人材育成のどんなところに力を入れていくのか、最後に一言お願いします。

園田氏:大体やりたいことはもうやっているので、それを継続していきます。

篠田氏:日本のサイバーセキュリティにおける安全保障のレベルを欧米諸国に匹敵するところまで上げるのなら、グローバルコミュニケーションが大事です。日本語訳を待っていたらダメです。直接彼らと議論できる人材を増やさなければいけません。

牧田氏:セキュリティエンジニアやホワイトハッカーと呼ばれる人たちは、本当に芸術のような仕事をするので、その人たちが創造性を発揮して、報われて、幸せな生き方ができる世の中になったらいいなと思います。

上野氏:本日はですね、ホワイトハッカー、最初、十分足りているのではと言いましたけれども、やっぱりまだまだ足りていないようです。憧れの職業となって、そしてどんどんセキュリティ人材が増えていくことを願っています。

セキュリティエンジニアを憧れの職業にすることが人材育成のカギになる

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