アドビは、2025年3月11日、Adobe Acrobatの生成AI機能「Acrobat AIアシスタント」の契約インテリジェンスを強化したことにあわせて、「契約書類の取り扱い」に関する調査結果を発表した。
Acrobat AIアシスタントでは、契約書の概要を生成したり、ワンクリックで重要な条項を抽出したり、複雑な契約文に対する質問に応えたりできるよう、強化されている。生成する要約や回答には引用元が表示されるため、正確性も担保でき、最大10件の契約書を比較しながら、整合性を把握したり、相違点を見つけたりすることもできる。
「契約や税務関連書類の取り扱いに関する調査」については、一般消費者1007人および中小企業の経営者250人を対象に、2025年1月に実施した。
調査では、一般消費者の52%が、「契約書の内容を正確に理解することなく」契約を結んだ経験があることがことが判明した。また、55%が、契約書に署名した後で「その内容に驚いた経験がある」と回答、契約を十分に理解せずに署名することは予期せぬ結果を招く可能性がある。
契約書を十分に読まず署名する主な理由については、「長すぎる」が69%で最も回答が多く、次いで「複雑すぎる(26%)」、「読みたくない(4%)」、「リスクを気にしない(1%)」が挙げられた。
この問題を解決するテクノロジーとして、「AIの支援を受けることで契約内容の理解に自信が持てる」と回答した一般消費者は82%に上っている。
一方、中小企業の経営者が過去1年間に最も署名した文書は税務関連の書類であり、約半数が税の申告準備における「複雑な税法や規則の理解(55%)」、「大量の紙の書類の整理(48%)」を困難だと回答している。
税の申告準備にAIを活用したことがある中小企業の経営者はわずか6%であり、AI活用の懸念点として、「正確性と信頼性(62%)」、「データのセキュリティとプライバシー(50%)」が多く挙げられた。
