丸の内初心者がエモいセンサーで巡る!「昭和レトロさんぽ」 第22回

昔ながらの醤油ラーメン+半チャーハンが750円!駅から10秒の町中華で待っていたのは期待を裏切らない値段、味、サービスだった!! 

文●岡田知子(BLOOM)

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 丸の内エリアの古き良き昭和レトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。22回目となる今回ご紹介するのは、JR有楽町駅すぐのガード下にある町中華「中国料理 宝龍」です。駅を利用するたびにレトロな店構えと、次々とお客さんが入っていく様子を見ていて、実は気になっていたんですよね~。

 お店があるのは、京橋口の改札を出てすぐ右側。ほんの10秒も歩けば到着しちゃいます! 店頭にはメニューのサンプルがずらりと並んでいて、見ているだけで食欲が湧いてきます♪ こういうの、今ではあまり見なくなりましたよね。

この店構え、見たことがある人も多いのではないでしょうか⁉

麺類は650~900円、定食は850~950円とお手頃!

 店内は細長い空間で、厨房が見えるカウンター席とテーブル席があります。壁に貼られているメニューもちょっと色あせていたりして、この気取らないザ・町中華の雰囲気、昔懐かしくて大好きです。

1人でも、グループでも気軽に入れます

壁に貼られたメニューからも、50年以上続くお店の歴史を感じられます

 中国料理店といえば、メニュー豊富なお店が多いですが、ここもまたしかり! すごい数で、今回も優柔不断を発動してしまったので、接客してくれた店主の上井恵一さんにおすすめを聞いてみると、「お客さんによって注文がいろいろなので、どれ!とは言えないんですよねー」とのこと。確かにこれだけメニューが豊富だと、それもそうですよね(笑)。

定食、一品料理、麺類、焼きそば類、ご飯ものなどがそろい、全て950円以下とお手頃!

 じっくりメニューを眺めて、ようやく3品を決めました。1品目は醤油ラーメンに半チャーハンが付いた「醤油ラーメンセット」750円です。え、セットで750円? 安すぎない!? 駅前なのに、びっくりの値段です。いったいどんなラーメンなんだろう…?

「醤油ラーメンセット」750円。普通に注文すると醤油ラーメン650円、半チャーハン(単品注文不可)200円なので、セットを選ぶのがおトク

 運ばれてきた醤油ラーメンは、透き通ったスープに、具はチャーシュー、メンマ、ホウレン草、ゆで玉子と、シンプルながら王道をゆくビジュアルです。まずは、スープをひと口。あー、体に染み渡る…。あっさり、まろやかな醤油味で、こんなラーメン、子どものころによく食べたっけ。スープは鶏ガラをメインに豚、そしてトビウオから取っているそうで、奥深い味わいです。麺はツルツルと喉越しがよく、チャーシューも柔らか~。こういう昔ながらの醤油ラーメン、やっぱり好きだなぁ。

 セットの半チャーハンは、パラパラ系でなく、しっとり系。ほんのりとした塩味で、これがまた醤油スープによく合うこと! この組み合わせ、文句ナシに最高です。

 2品目は、定食から「玉子とキクラゲの炒め」850円。これまたうれしいお値段です。そして、なんと味付け海苔が付いていました! こんなサービス、あまり見たことがないですが、うれしい~。「玉子とキクラゲの炒め」は少し濃い目の甘辛味で、白いご飯との相性抜群! 豚肉、チンゲン菜、タケノコも入っていて、ボリュームたっぷりです。

定食の「玉子とキクラゲの炒め」850円。レバにら炒め、ホイコーローなど、定食は12種ほどあり、全てにご飯、スープ、漬物、味付け海苔付き。+100円でライス大盛に

 そして、ここで最強兵器(笑)、登場! 自家製の食べるラー油です。無料でサービスされていて、店員さんに伝えると壺ごと出してくれます。ご飯にのせれば、これだけでもう箸が進む、進む! 「もしかしたら、一番人気はこのラー油かも」と、店主さんが笑って話してくれました。お酒を頼んだお客さんから最初に「ラー油、ちょうだい」と言われることも多いらしく、お通しやおつまみとしてそのまま食べるのも人気なので、ぜひお忘れなく!

唐辛子やニンニクを使った自家製ラー油は、麺類などにもぴったり。瓶詰めで販売もしていて、隠れた名物(小500円、大1,000円)

 追加で「焼き餃子」550円も注文しちゃいました。「特製塩で食べるのがおすすめ」という言葉に惹かれて、つい…。

「焼き餃子」550円。柚子胡椒やハリッサの用意もあり、無料でサービスしてくれます

 特製塩の正体は、花椒を混ぜた花椒塩でした。餃子のあんには白菜やキャベツ、ニラ、豚ひき肉などを使っていて素材の甘味があるので、さっぱり食べられる特製塩を考案したのだとか。餃子を塩で食べるのは初めてでしたが、なるほど、よく合ってこれはいいですね~!

自家製ラー油で味わうのもおすすめです

 「中国料理 宝龍」がここに創業したのは、1967(昭和42年)。前身は、東京交通会館が完成する前の「すしや横丁」にあった食べ物屋さんで、この年に移転して中国料理店になったのだとか。毎日来る常連さんや毎回同じメニューを注文するお客さんもいて、「夜はお酒と一緒に一品料理を楽しむお客さまも多いですよ」と、店主さん。

 厨房スタッフは20年以上務めるベテランぞろいで、麺類に使う麺も、一般的な中華麺のほか、味噌ラーメンには中太麺、つけ麺には専用の麺と使い分けるほか、月替わりの定食や麺も用意し、お客さんを飽きさせない工夫をしているそうです。

 そんな心遣いに併せ、駅から徒歩10秒ほどの好アクセスで、終日通し営業だからランチを食べそびれてしまったときにも重宝。しかも食事は1,000円もあればおなかいっぱいという良心価格で、夜は定食で1人ご飯はもちろん、豊富な中華メニューをおつまみにみんなで1杯にも使えちゃう。これは、ひっきりなしにお客さんが入るわけですねー。

 チキン南蛮定食850円も食べてみたいし、あんかけ肉焼きそば850円も気になるし、またJR有楽町駅に降り立ったときは、絶対に寄ってしまうこと間違いナシの町中華屋さんでした。

お支払いは現金のみ、1人につき1品の注文がマストです

 ということで、第22回の「中国料理 宝龍」のレポートはおしまい! 次はどんな「昭和レトロ」に出合いに行こうかな~。

横浜生まれ、横浜育ち。おいしいものと旅が大好きなオカダです!

中国料理 宝龍

住所:東京都千代田区有楽町2-9-16
営業時間:11:00~23:00(LO22:30)、土・日曜、祝日~21:00(LO20:30)
定休日:なし(ゴールデンウィーク、お盆、正月に臨時休業あり)
電話:03-3214-3994

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