ファイルサーバーのクラウド全社移行、IT専任担当者もいない中でどうやって進めた?
使い方はさらに進化中! 総合建設コンサル・国建のDropbox導入が成功した理由
提供: Dropbox
「正直なところ、ファイルサーバーと比べれば、Dropboxの契約コストは安くはありません。ただしそれは『どこまでのコストを見るか』だとも言えます。管理コストまでを含めて見ると、われわれはむしろ『Dropboxのほうが安い』と考えています」(国建 星宗博氏)
沖縄県那覇市に本社を構える、総合建設コンサルタントの株式会社 国建(くにけん)。同社では社内ファイルサーバーの契約期間満了をきっかけとして、2024年10月にDropboxの全社導入を実施した。
ファイルサーバーからの移行先としてDropboxを選んだ理由は、まず何よりも「これまでと変わらない使い勝手」が実現できることだったという。その結果、全社導入にも関わらず、社員への特別なトレーニングを行うことなくスムーズに移行できた。それだけではなく、Dropboxならではの新たな使い方も浸透しつつあるという。同社で社内ITの統括やDropboxの選定に携わった東江氏、星氏の2人に聞いた。
幅広い技術力を生かし、豊富な実績を持つ総合建設コンサルタント
1960年創業の国建は、「建築部門」「土木部門」「企画/調査/開発部門」を備えた総合建設コンサルタントである。各部門が持つ、調査/企画、建築設計、土木設計、構造設計、設備設計、測量/土質調査といった幅広い技術力を生かしたコンサルティングサービスを通じて、ミッションに掲げる「沖縄の持続可能な発展」への貢献を続けてきた。
「沖縄県内にも多くの建設コンサルタントがありますが、当社のようにさまざまな部署を抱えている総合建設コンサルタントは多くありません。1社だけで幅広いご提案ができる“総合力”が強みだと考えています」(東江氏)
従業員数は186名(2024年4月)と大きくはないが、同社の業務実績を見ると、ホテル/観光施設から、商業施設、庁舎/オフィス、住宅、道路/橋梁、港湾/空港まで、幅広いジャンルが並ぶ。その中には、観光客に人気の「沖縄美ら海水族館」、2000年九州・沖縄サミットが開催された「万国津梁館」、そして2019年に焼失した「首里城正殿」の復元事業(令和の復元)など、全国的によく知られるものも含まれる。
近年、建設業界のデジタル化が加速しているが、国建もその例に漏れず、業務効率化を目的としたシステム導入を積極的に進めてきた。ただし、同社にはIT専任の部署はなく、システム導入や保守運用はグループ子会社の国建システムに委託している。
IT関連の社内統括は東江氏の所属する総務部が行う一方で、各部署にも兼任の「情報担当者」を設けている。社内のITに関する意見調整やルール策定といった作業は、この情報担当者どうしの連絡会議で行う仕組みだ。星氏も、土木設計を行うシビルデザイン部の情報担当者を兼務している。
第一条件は「ファイルサーバーと使い勝手が変わらない」こと
国建がDropboxを導入するきっかけとなったのは、これまで社内で利用してきたファイルサーバーがサポート契約の満了を迎えたことだった。引き続きオンプレミスのファイルサーバーでという選択は、あまり考えていなかったという。
「ファイルサーバーのドライブ容量は30TBでしたが、近年はBIMやCIMで扱う3Dモデル、あるいはWeb会議の記録動画、大量の現場写真といった大容量データが増えており、空き領域はほとんど残ってない状態でした。『次はもう30TBじゃ足りないよね、2倍(60TB)にしても足りないかもしれない』といった話が出ていました」(東江氏)
容量不足への対応に加えて、コロナ禍を経てリモートワークへの対応が必要になったこと、工事現場へのデータ持ち出しに毎回NASへのコピーを行うのは不便であること、BCP対策を考えなければならないことなどの事情もあった。そこで、1年ほどかけて検討を行い、クラウドストレージサービスへの移行を決めた。
「ただし、ファイルサーバーをクラウド化するにあたっては、どういうクラウドソリューションを選べばいいのかが検討課題でした」(星氏)
ファイルサーバーはすべての社員が使ってきた。これをクラウド化するにあたっては、すべての社員の要望を満たせるソリューションを選ばなければならない。そこで、総務部や各部署の情報担当者が試用してみることにした。
まず試用したのは、マイクロソフトの「OneDrive」だった。
「OneDriveの場合、Officeドキュメントをオンラインで共同編集できるのは便利です。ただし、『そのファイルがどこに保存されているか』が分かりづらい面があり、これまでのファイルサーバーとは少し立ち位置が違うかな、と感じました」(星氏)
土木や建築のプロジェクトでは、1つの案件に多くの社員が関わることになる。これまでは、ファイルサーバー上にプロジェクトごとの共有フォルダを作り、そこに資料などのファイルを集約していた。そのため「どこに情報が集まっているか」が明確で、フォルダをたどれば誰でも必要な情報にたどり着くことができた。
クラウドには移行したいが、これまでの「使い勝手」や「見た目(UI)」はなるべく変えたくない――。この要件を重視して、星氏が提案したのがDropboxだった。東江氏も試用し、その提案に納得したという。
「クラウド化する際、これまでの使い勝手がガラッと変わってしまうと、日常的に使っているユーザー社員は混乱しますし、われわれからのサポートやレクチャーも大変になります。Dropboxならば、Windowsのエクスプローラーからでもアクセスできて、フォルダ単位での管理もそのままなので、戸惑わないだろうと考えました」(東江氏)
予想どおり、導入後も大きな混乱はなく、東江氏は「社員は皆すんなり使えています」と語る。また、星氏も「クラウドとの同期の仕方を教えたくらいです」と、クラウド移行が非常にスムーズに進んだことを証言する。
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