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NVIDIA高橋 想氏、津田恵理子氏にインタビュー

いま、NVIDIA RTX AIワークステーションを導入する企業が増えている理由

2025年03月19日 11時00分更新

文● インタビュー● 遠藤諭(角川アスキー総合研究所 主席研究員)
編集● 貝塚怜(角川アスキー総合研究所)
撮影● 水戸秀一(パシャ)

提供: NVIDIA

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プロフェッショナル向けの環境を活かし切る
NVIDIA RTXワークステーション

 クラウドに依存せずとも、高度なAI処理をローカルで実行できる環境をビジネスにインストールするNVIDIA RTX搭載AIワークステーション。その活用範囲は、AI推論の開発だけにとどまらない。多くのプロフェッショナル向けソフトウェアでも、AI機能を組み込むケースが増えているのだ。

──AI推論開発だけでなく、利用に関してもうかがってみたいと思います。最近では多くのプロフェッショナル向けソフトウェアにAI機能が組み込まれていますね。

高橋「はい。そこでもNVIDIA RTXワークステーションの持つパワーが活かせます。たとえばAdobe Premiere Proでは、動画編集時にオートフレーミング機能が活用され、被写体が自動でフォーカスされるようになっています。これにより、16:9の画角に適切に収めたり、スマートフォン向けの映像に最適化したりと、編集作業の手間が大幅に削減されました」

活用の一例。もはや、プロフェッショナルな分野ではAIワークステーションが必須ともいえる浸透を見せている

──映像編集の分野だけでなく、設計やシミュレーション分野でもAIが活用されています。

高橋「SolidWorks Visualizeのような設計・CADソフトにおいても、AIがレンダリングのノイズリダクションを担うことで、画角を変更した際のノイズ収束が劇的に高速化されました。以前はCPUで処理していたため時間がかかっていた部分も、GPUの活用とAIの学習モデルによって、リアルタイムで高品質なビジュアライゼーションが実現されています。

 また、建築業界でも、3Dでの建築ビジュアライゼーションが一般的になってきています。ハリウッドのCG制作現場では、以前は、高額な専用のワークステーションが主流だったのが、今ではPCアーキテクチャとNVIDIA RTXが業界の標準的な選択肢になりつつありますね。どれくらい効率的に生成AIを運用して、コスト削減や新しい価値創造につなげられるか。企業としては最終的にはそこがゴールになります。

 企業という視点では、前回の記事でもテーマになったオンプレで動かすメリットもあります。機密情報をクラウドに出さなくても良いし、手元のワークステーションで自由にトライアルを重ねられることは、AI人材の育成という観点からも、開発スピードの向上という視点からも、重要になっていくものと思っています」

──今日はサポート体制やソフトウェアプラットフォームの話も含め、興味深いお話をたくさんうかがいました。

高橋「ありがとうございます。今後は「デジタルヒューマン」や「エージェント」などの話題もますます増えてくると思います。ハードウェアだけでなく、ソフト面も含めてNVIDIAとしては総合的に支援していきたいです」

“必須のツール”へと進歩するAIワークステーション

 NVIDIA RTX搭載のAIワークステーションの導入は、ランニングコストを抑えながら高性能なAI処理を実現できるだけでなく、長期的なサポート体制やNIMなど、本稿で解説した包括的で安定した開発環境が利用できることを意味する。

 さらに、クラウドサーバーや専用のサーバーと比較して、AIワークステーションは導入コストを抑えやすい点も大きな強みだ。開発部門で手軽に導入・運用できる柔軟性も評価されている。

 クラウドとのハイブリッド運用や、特定用途に応じたオンプレミス環境の構築が求められる中で、ワークステーションはAI開発の標準的な選択肢の一つになりつつある。クラウドとオンプレミスを適材適所で組み合わせる運用が一般化する中で、NVIDIA RTX搭載ワークステーションは、AI開発の基盤として不可欠な存在となるだろう。

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