MSI「MPG B850 EDGE TI WIFI」レビュー
白いマザーボードでは異質なほどゲーミング寄りデザインのAMD B850搭載モデルは貴重な存在
ここ最近の世代のマザーボードでは、Monolithic Power SystemsのPWMコントローラやMOSFETをよく見かける。ウルトラハイエンドではまた別のメーカーのものを見ることがあるとしても、Monolithic Power Systemsのチップはゲーミングマザーボードの定番と言えるだろう。一方、MISCを分けた設計だが、これも最近見る機会が増えた。ウルトラハイエンドでは、MISCを含めすべて同じMOSFETを用いるものも多いが、VCoreの要求は年々高まる一方でMISCについてはそこまで変化がない。MISCの要求を満たすMOSFETを用いることで、近年の価格上昇を少しでも抑えられるといった思想ではないだろうか。
ここからはLANやオーディオチップなどインターフェース面を見ていこう。まずはLAN。5GbE対応のRealtek「RTL8126」を搭載している。最近ようやく普及しはじめた2.5GbEに対し、ひとつ上の5GbEを採用しているところがポイントだ。
オーディオ。こちらはRealtekのハイエンド向けチップ「ALC4080」を搭載している。このALC4080を中心に、オーディオ品質のコンデンサ、左右のチャンネルを基板層レベルで分離などを採用する回路設計「Audio Boost 5」を採用。オンボードオーディオと言えど、ハイエンドゲーマー向けの高音質を実現している。
最後にバックパネル。先の5GbEのほか、Wi-Fi 7(Bluetooth 5.4も統合)、3基のUSB Type-C 10Gbpsほか各種USB、映像出力のHDIM、オーディオではマイク入力、ライン出力に加えてS/PDIFも備わっている。また、BIOS更新用の「Flash BIOS」、CMOSリセット用の「Clear CMOS」ボタンもある。
「ゲーミングらしさ」推しのホワイトマザーボード
このように、ゲーミングPC向けにハイエンドビデオカード搭載を前提としたレイアウト、ゲーミングPC王道の見た目、そして自作PC初心者にもやさしい組み立てサポート機能といったところがMPG B850 EDGE TI WIFIの特徴だ。

電源投入後のハードウェアチェックで、どの段階にいるかを示す4連LED「EZ Debug LED」と、具体的に何をチェックしているのかコードから判別できる「EZ Digi-Debug LED」もある。トラブルシューティングの助けになる機能だ
特にデザインは数あるホワイトマザーボードの中でもゲーミング寄り。どちらかというとゲーミング色を薄める傾向にあるホワイトマザーボードの中では異質と言えるかもしれない。ただ、そうしたホワイトPCの王道よりもゲーミングPCらしさの中のホワイトを求める方にとってMPG B850 EDGE TI WIFIは貴重な存在と言える。