GMOインターネットグループは、2025年2月6日、新しいインターネットセキュリティのプロジェクトとして「ネットのセキュリティもGMO」を開始した。同プロジェクトで提供するのが、24時間いつでも無料で使える総合ネットセキュリティサービス「GMOセキュリティ24」だ。
GMOセキュリティ24では、これまで同グループがセキュリティ事業で培った知見を結集。パスワード漏えいやWebサイトの抱えるリスクを無料で可視化できる「パスワード漏えい・Webサイトリスク診断」、セキュリティの困りごとをいつでも相談できる「セキュリティ相談AIチャットボット」の機能を提供する。
GMOインターネットグループの代表取締役グループ代表である熊谷正寿氏は、「われわれは、インターネットの普及が多くの人の笑顔と感動につながるという信念のもと歩んできた。しかし現実は厳しく、悪意を持ってインターネットを利用する人も一定数存在しており、何とかしなければいけないという強い想いを抱いていた」と説明。
加えて、「AI・ロボティクスの時代を迎え、よりセキュリティが重要になるのは明白。インターネットが新しい技術を融合し、さらに社会インフラとしての役割を増すことで、安全性の確保は喫緊の課題となっている」とサービス提供の背景を説明した。
セキュリティ対策の第一歩として“リスク可視化”を手軽に
「ネットのセキュリティもGMO」は、「すべての人に安心な未来を」のキャッチフレーズのもと提供するネットセキュリティのプロジェクトである。
GMOインターネットグループは、2003年に盗聴・改ざん・なりすまし防止、ログイン認証強化のためのSSLの販売からセキュリティ事業に参入した。2015年にはウェブのなりすまし監視・削除支援事業を開始、そして、2022年にはイエラエセキュリティの買収によりサイバーセキュリティ事業に本格参入している(2024年にはFlatt Securityも買収)。今では、グループの従業員約8000人のうち、1100人がセキュリティ関連の業務に従事するほどに拡大した。
ネットのセキュリティもGMOで提供する、24時間無料で使える総合ネットセキュリティサービス「GMOセキュリティ24」は、そんな同グループが培ってきたセキュリティの知見と技術によって生まれたサービスだ。同サービスでは、「パスワード漏洩・Webサイトリスク診断」と「セキュリティ相談AIチャットボット」の2つの機能を提供する。

GMOセキュリティ24(https://www.gmo.jp/security/)
まず、パスワード漏えい・Webサイトリスク診断は、企業のセキュリティリスクを手軽に可視化できる機能だ。
パスワード漏えいを診断する場合は、メールアドレスを入力するだけで、そのメールアドレスに紐づいたパスワードが、過去に漏えい実績があるかを確認できる。
GMOインターネットグループ CISO 兼 GMOサイバーセキュリティ byイエラエ(GMOイエラエ) 代表取締役CEOである牧田誠氏は、「GMOイエラエの提供するペネトレーションテスト(侵入テスト)サービスでは、日本企業の侵入成功率が90%を超えている。われわれが侵入を試みる際には、まず、社員のパスワードが漏えいしていないかを確認するが、多くの企業で成功してしまうのが日本の現状。課題を認識してもらうためにもパスワード漏えい診断を開始する」と説明する。
また、Webサイト診断では、URLを入力するだけで、「脆弱性」、「クラウド利用」、「なりすまし」、「盗聴」の4項目でWebサイトの信頼性を測ることができる。診断できるのは、自身のメールアドレスと同じドメインのWebサイト、および自身が管理しているWebサイトに限る。
脆弱性・クラウド利用は「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」と「GMO Flat Security」が、なりすましは「GMOブランドセキュリティ」、盗聴は「GMOグローバルサイン」が担当し、グループ各セキュリティ企業の知見や技術が活かされている。
あわせて提供されるのが、24時間365日、ネットセキュリティに関する不安や疑問に応えてくれるセキュリティ相談AIチャットボットだ。同グループのホワイトハッカーの知見を学習させた“セキュリティに特化”したAIがベースになっているのが特徴だ。回答では、適宜同グループの公開するドキュメントが追加情報として提示され、解決のためにより深掘りすることも可能だ。
なお、この2つの機能を利用後に、同グループの専門家による有償の支援を受けることも可能だ。
牧田氏は、「侵入テストサービスは予算のある企業しか利用できない。一方で、(予算が少ない)中小企業もセキュリティリスクを抱えており、セキュリティ担当がいない分不安も大きい。今回のサービスは中小企業や地方の企業にこそ活用して欲しい。セキュリティの課題を可視化できれば、対策も進んでいく」と語った。
熊谷氏は、新プロジェクトを含むセキュリティ事業に関して、「インフラ、メディア、金融、暗号資産などのように、セキュリティ事業もグループの柱にしていく。今後、世の中を変えていくすべてのものにセキュリティは必要。グループの各商材において“横ぐし”の役割を果たす、最も貴重なプロダクト、テクノロジーになる」と強調した。
